束縛系彼女(モンスター)がついてくる
まんぷく犬
第1話 自殺助けちゃダメだったんですか?
人生省エネでいい、とは言っても彼女は欲しい。
今日が誕生日で20歳になった山本 龍(やまもと りゅう)は仲間の男友達に祝ってもらっていた。中学時代の親友たちで皆俺と同い年だが俺が早産まれのため、1人遅れて20歳になったのだ。そいつらとの会は楽しかった。初めて飲んだ酒も不味くはなかった。あ、俺これで大人になれたなぁと深く噛みしめられた。そんなこんなで色んな話をする中、彼女の話になった。龍は彼女いたことないイコール年齢、ではない。1通り彼女がいたこともあったしヤることもしてきた。だが今彼女はいない。かれこれ3年はいない。周りの彼女自慢を聞いて、久々に彼女欲しいな~とか思ってしまった。そしてそんな思いを消そうと飲んだ挙げ句べろべろに酔ってしまった。
「飲みすぎたぁ………バカした………」
気分悪い中見えたのは1つの大きなビル。廃ビルか?まぁいいや。とりあえず登って空気でも吸おう。
そう思ったことを未だに後悔している。
登らなければ、ヤツに、彼女に会わずに済んだのだから。
「うわぁ、意外とたけぇ。てか気持ち……寒っ!」
季節は2月。そりゃ寒い。さっさと酔いを覚まして帰ろ………
うん?暗闇の中に何か人影が見えた。その人影が立っているのは………フェンスの外で
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょい待てよ!」
フワっと落ちようとする人影を力だけで引き上げる。
「はぁ、はぁ、はぁ…………」
酔い覚めたよ…………初めて見た。自殺しようとしてる人もそれを止めることも初めてした。
「な、何、してんだよ!アンタ!」
人影が月明かりに照らされ顔が見える。
女性だ。顔の整った女性。スタイルも抜群で………人生謳歌してそうな見た目なのに…
涙目でこちらを見ている………
その姿にドキッとしてしまう。
「あ、あ、アナタは誰?」
「お、俺?俺は通りすがりの大学生だよ。あ、アンタは?」
「わたし、わたし、私は………うぇぇーん!!!」
めっちゃ泣いた。いや、めっちゃ泣いてる。ボロボロと化粧とか取れるの無視して泣いてる。
「ちょ、泣くだけじゃ分かんないっすよ?アンタは何なんですか?」
「……………付き合って。」
「え?」
「お代は出すから、私の愚痴に付き合って!私を助けたんだから、それくらいはして。」
「助けたんだからって………」
「私は早乙女 キラリ。さ、行こ!」
この出合いが龍の人生を大きく狂わすとは思わなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます