ノート:ゲンロンSF創作講座8期向け
秋吉洋臣
自己紹介:ゲンロンSF創作講座8期向け
残暑にしては明るい日差し高い気温の9月某日。兼ねてから懇意にして下さっている恩田龍平氏より、DMが飛び込んだ。いつもの
その内容を噛み砕くと21日から始まるSF創作講座向けに、自己紹介を書いて公開しないかと言うモノだった。
「わしも書きましたし、秋吉さんもどないです? まず、始まる前から我々が8期を盛り上げていきましょうや」
恩田氏はずいぶんと意識が高い。僕のような、内省的な陰キャにこのようなお誘いをくださる。たが、なにぶん引っ込み思案である。口を濁しながら答えた。
「いや、せやかて、恥の多い人生を送って来ましたし、ただのマダ
「X(旧:Twitter)のプロフィールに、
「それは、ちょっと、キャラ盛ってるんや」
ますます言い淀む僕に恩田氏は被せる。
「ほな、本当のアンタを皆に知らしめるチャンスやないですか?書いてきましょう。秋吉せんせ、みな知りたがってるさかい」
まだ、デビューもしてないワナビを「せんせい」と持ち上げる勢いについ気押される。しかし彼のように半生を書いて自己紹介にするほどの中身は私には無いのだ。だいたい、知りたがっている「みな」って誰と誰やねん。
仕方なく「検討しとくさかいな」と逃げて話を打ち切った。時間が以外と過ぎている。タコライスの残りをそそくさと掻き込む。
病院に戻る。午後の受付に間に合った。自分の番を待つあいだ。そして朝採取した血液検査の結果を聞くあいだ。大きなストレス源である「宿題」のことは忘れていられた。
会計を待つ段階になって、面倒な約束した自覚が芽生えて大きな後悔が始まった。チャキチャキの
そもそも、内気な僕にそんなモノ書けるだろうか? 氏を説得し諦めさせる理由。自分には書けないエクスキューズ。それらを探す参考にしようと、氏の自己紹介を開く。
「なんじゃ、こりゃー!」
ついその叫びが口をついてでる。僕の日常のセリフは、
再読して驚いた。埼玉出身でデトロイトに留学経験があり、ロシアを旅し、ドイツでの生活経験がある。既に経済的に自由でFireなのに、会社を経営して働いてらっしゃる。一大叙事詩である。僕が想い描いた、大阪弁で詰め寄るテキトーな恩田氏は其処には居ない。これはすごすぎて無意識が
学生の頃こそ、同じく
ワタクシは人に語るべき経歴の無いオジサンである。自分とは異なる大人物を前に防衛機制で言う否認を選択した。現実を受け止めるのはやめだ。作家(ワナビ)たるモノ空想の中でこそ生きるべきなのだ。
そこで閃いた。そうや、創作としてなら書けるかも知れん。その時、頭の中の氏が大阪弁で囁く。
「懇意にしてるも何も、先月にDMでご挨拶したばっかりやないですか。なに、テキトーな設定を足してますねん。盛ってるのはアンタやろう」
呆れた様子である。
それを無視しながら、長年、育てて来た「脳内版生成AI」に自己紹介の検討を始めさせたって訳や。
★脚注をもって、自己紹介に変えさせていただきます。
注1) 生活習慣病なので通院しています。
注2) まだ本気出してないだけとずるずる生きて来ました。一応本職はIT系の品質保証やってます。QA屋さん
注3) 学位は無くとも自称すればそれで成り立つ系の哲学者です。なので実は理屈っぽいんやで。
注4) ロマン主義の「普段は理性的に振る舞い、抑えきれない感情には従う」って素敵やと思ってたんだよね。
注5) 昔小説の為に創作世界の地図を書き独自の文字と神話を設定していました。
注6) 出自は大阪です。敢えて話す機会はなさそうなので書きますと、母方は阿部晴明の子孫と言うことになっています。なんだけど育ちは首都圏です。
注7) オタクやねん。分かりはるやろ? ほら、あんたもそうなんちゃうんか?
注8) 話の流れ上ちょっと改変したけど、年相応に忘れっぽいです。いうか、あれやで、仕事は大抵記録とメモしながらする教育受けていて、それに頼り切りやから、記憶力おちてくるねん。
注9) いじめられる理由はある方のいじめられっ子でした。いじめていた奴とは偶に飲みます。まぁ、でも一度いじめの対象になると、関係ない奴までいじめてきますよね。一般的に容認する立場は取りません。年取って個別の事例として仲良くやれるのはいいんちゃうかな。
注10) 恩田氏はこんな駄文のネタにされても許してくれる兄ちゃんじゃ無いと、書いちゃった自分的には困るのである。
注11)「Fireで経済的自由」が羨ましく番号選択式宝くじの購入は欠かせません。
注12) 最近、与太話をハルシネーションと呼ぶのがマイブーム
創作講座のプロフィールページはこちら
https://school.genron.co.jp/works/sf/2024/students/lesaria3791/
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