大改革~いや世界戦争を止めた神覚者って俺やん~


 かくかくしかじか色々あり、千聖ちゃんの先生?になった後授業は普通に終わり次の時間である歴史の授業を受けている。

 歴史の授業を担当するのはクラスの担任の先生であり、朝俺を紹介してくれた、浅妻先生だ。

 サーフィンが趣味の30代後半くらいの男の先生で上位Ⅰの契約者だ。

 肌は小麦色で本当に、ああサーフィンしてそってのが初見の感想に来るようなちょっとチャラい感じの先生だ。

 とはいえコッシー曰く、普通に真面目に授業をしてくれる、しっかりとした先生らしい。

 生徒に全てをぶん投げるどっかの武美先生とは大違いだ。


「さて、今日の現代歴史の授業だが、新しく転校してきた上野もいることだし、復習の意味もかねて基礎の説明から入っていくわ。

 じゃあ、今から黒板に書きながら説明してくから、しっかり聞いておけよ」


「まず、基礎の基礎だ。

 大改革、2020年の4月1日に起きた世界が大きく改変された日のことだ。

 基本的に人類の歴史も技術の能力も何もかも全てが大改革以前と大改革以降と大きく異なってくるからな。

 さて、この大改革以降、人類は人智を超えた存在である神や悪魔と契約を結び力を授かる契約者ってのと、突然変異みたいな感じで急に不可思議な力を手に入れて覚醒する覚醒者の2種類の存在が出現するようになったわけだ。

 で、この契約者と覚醒者をどちらも人智を超えた力を持った能力者ってことで、合わせて超能力者と総称される。

 ここまでは大丈夫か」


 沈黙(学校の授業でここで大丈夫ですって大声で答えるやつほとんどいないだろ)


「大丈夫そうだな。

 さて、大改革によって人類は超能力者になりました。めでたしめでたしなんてなるはずがなく、その力を使って争いが起こったわけだ。

 火種となったのはとある小競り合いみたいな紛争地域だった。

 そこではとある国同士が争っていたのだが、片方が大分劣勢で、相当に追い詰められていた。それこそ敗北は時間の問題って程にな。

 ただ、小競り合いの最中に大改革が起きた。

 大改革が起きて本来であれば負けていたであろう、国側についていた一人の兵士が契約を結び、敵国の兵士全員を蹂躙した。

 そんでその戦争は負けてた筈の国が勝ってしまった。

 これが良くなかった。大改革初日に超能力者の戦場での有用さがこれ以上ない程に明らかになってしまったのだからな。

 それでいて平時よりも戦時中の方が契約を持ち掛けられやすく強い力を得られやすいって上に命の危機に感じた時の方が覚醒もしやすいってのも明らかになってしまった。

 かくして始まったのは強力な超能力者を確保する為の意味のない戦争だ。

 一般市民は無事だったものの、軍に所属している者は毎日の様に地獄の戦場に駆り出され、各地で本来ならばあり得ない戦争が頻発した。

 そして、繰り返される戦争によって数多の超能力者が生まれた。

 生まれ過ぎてしまったんだ。


 さて、復習だ。


 越田、この後どうなったか言えるか?」


「確か、自分達を死地に送って無理やり超能力者にさせた国の上層部を恨み、世界各地で内乱と革命が頻発、数多の国の首脳が丸ごと入れ替わるでしたっけ?」


「そうだ。正解だ越田。

 まあ、当たり前の話だよな。

 誰が好んで超能力者に覚醒させる為だけに意味のない戦争に送り込ませて戦わせて多くの戦友を殺させたお国様の言いなりになるのかって話だ。

 そしてお前らなら身に染みて理解していると思うが、超能力者の力ってのは強大だ。

 正直、上位の超能力者である仙郷とか須郷はもちろんのこと、大多数の戦闘に長けた上野や田中なんかも一人で大改革以前の軍隊であれば滅ぼせると思う。

 という訳で色んな国で内乱に革命が頻発したこのことを【超能力者革命】と呼ぶ。

 この超能力者革命によって意味のない戦争はなくなり、世界は平和になったかに見えたが、そんな訳がなかった。

 何故なら戦場で契約者になった者の多くが戦場でないと神との契約や悪魔との契約を果たせずに死んでしまうという事件が起きてしまったからだ。

 ようは【毎日一人殺して神に捧げる】や【毎週100Lの新鮮な血液を捧げる】や【不定期に人間の死体を20体生成する】や【生死をかけた戦場に毎月24時間以上滞在する】等々の戦場であればクリアできるが平時であれば到底クリアできないような契約を結んでしまっていた契約者達が大勢いたわけだ。

 で、契約不履行の代償は存在の消滅という死すら超えた蘇生不可能の最悪のペナルティだ。

 契約者達は自分が生きる為に戦争を引き起こした。

 ある意味で自然の流れではあると思う。誰だって死にたくはないからな。

 そうして起こった、この戦争を止めに入ったのは覚醒者達だ。

 かくして争いは争いを生み、生み続けてしまい、2020年11月に世界大戦と言えるレベルまで戦争の業火は広がってしまった。

 世界は混沌と混乱に陥り、物価は上昇し島国で戦火を免れてた日本には大量の移民が流れ込み、治安が悪化してニュースでは毎日の様に移民による強盗殺人かレイプ事件が流れたのは記憶に新しいと思う。

 ただ、そんな地獄のような世界大戦に終止符を打ったのは我らが大英雄にして世界超能力組合の創設者であり神覚者である天神 喰臥だ。

 時を操る彼の能力によって契約者と覚醒者の間で発生した数多の戦争が強制的に仲裁されていった。

 一応、噂レベルではあるが彼以外にも二人の神覚者が協力して戦争を終わらせたと言われているが、知ってる奴はいたりするか?」

 

 メガネをかけて三つ編みの女性生徒が堂々と手を挙げた。

 容姿はかなり整っている。綺麗な黒髪で胸はそれなりにある、ただ、違う。

 神覚者である俺の眼は分かる。これ多分さらし巻いてる。本当はもっとデカい。

 なるほど、隠れ超巨乳か。属性を盛っていくな~。素晴らしい。


「お。田中答えられそうか?」


「はい。一人目は七つの美徳・慈愛の女神・レーナ・ヴィ・アリス様。世界に5人しかいない神覚者の一人であり、私の救世主様です。

 慈愛に満ち溢れ世界の為に尽くす女神である、戦争で多くの人が傷つくのを悲しみ、傷つき、戦争を止める為にその力を振い、今も平和の為に多くの人を救っている現代に現れた現人神です。嗚呼、逢いたいな」


「相変わらず田中はアリス様の信仰心が止まらないな。ああ。そうだ正解だ。因みにもう一人分かるか?」


「もう一人ですか。・・・確か、全ての死を操り死を支配し、死を喰らう絶望の化身、非公式の神覚者、デッドロードだった筈です。

 デッドロードの素性は明らかになっていませんし、人間であるかすら判明していない不可思議な存在ですが、数多くの配下が存在しており、世界の裏社会を侵食しているという噂は聞きます」

 

 ・・・・・・・・・


 いや、それ俺やん。

 そいえば俺そんな二つ名でも呼ばれてたな。

 なんだよデッドロードって中二病が過ぎるって。うわ、なんかこう、恥ず。いや恥ず。

 ついでにツッコミたいのが慈愛の女神アリス様って、あの女はそんなんじゃないぞ、中身は承認欲求とレズ欲の塊なちょっとアレな奴だぞ。

 多分、田中さんみたいな容姿の整ったリアル学生三つ編みメガネキャラ隠れ超巨乳とか好物だから、頼んだら会える気が・・・。

 まあ本物知ったら幻滅しそうだけど。


 いやマジで草。

 

 

―――――――


 昨日バイトでレイアウト変更してました。夜中の24時まで、筋肉痛で死にそうです。

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