3rd Road 阪神高速最速伝説編

SPEED.19 大阪へGO

ある時、動画を見ていると、知らない高速を走るR34GT-Rがいた。ここは一体どこなのだろうと、ググってみたら阪神高速環状線と結果が出た。「阪神高速かぁ」見るとなかなかのコーナーが点在している。今週末あたり行ってみっか。そして金曜日の夜に俺は家を出た。



まず大阪までC1を経由して向かう。お供に尚輝と冬馬に来てもらった。



「阪神高速なんてコーナーが多すぎて疲れちまうんじゃねーのか?」



夜の横浜に漆黒のR32、ワインレッドのR34がそれぞれ停まり、シャッターの開いた俺のガレージの中には純白のR34が停まっている。



「まあ、それも一つの楽しみじゃね?」隣に立っている尚輝が口を開く。



「なぁ、冬馬のR32って純正ホイール辞めたのか?」



俺は32の純正ホイールからR32 nismo CRS仕様のホイールに変わっていることに気づいた。



「これ、高かったんだよね。まじで」冬馬は頭を掻きながら言う。



一本、数十万はするであろうホイールをなけなしの給料で買ったらしい。



純正ホイールもかっこいいので捨てはせず取ってあるらしい。物の管理は昔から良かったのでその辺りはしっかり考えているのだろう。俺と同じ考えの持ち主だと思っているが、私生活は終わっているため、正直俺としてはこの先どうなっていくのかとても心配である。



「そんじゃ、大阪にぼちぼち向かいますかね」その生活問題児が口を開いた。



時刻は午後11時27分。大黒PAを出て大阪へと向かう。



俺、冬馬、尚輝という順でPAを後にする。



ここからは2時間弱の旅となる。本来ならば5時間程(法定速度を守った場合)かかるが、俺たちの場合は300km/hペースで走るので大体3時間程で着くと見込んでいる。



少し走っている間、冬馬の生活状況について話したいと思う。



あいつは18になってすぐ免許をとりに行った。もちろん一発合格である。そしてクルマを探し始め、見事R32を手に入れて首都高を走り始めた。ここまでは良かったのだが、ここからが問題である。まあチューニングをしていくわけだが、まず手を入れたのはエンジンで、HKS製タービンを一気に2つも買った。これでもう80万近く飛び、生活がおかしくなる。



GS、サイゼ、セブンなど1日に3つもバイトを掛け持ちした時もある。この他に正社員として働いている日産でも仕事があった。あっという間に目にクマができ、寝ていないのが一目でわかる状態となった。思わず俺はこいつ大丈夫なのかとなり、心配してしまった。



そして落ち着いたと思えば、今度はワンオフのロールケージを買って来て『付けてくれ!』と頼んできた。ワンオフだったといい、なんてものを買ってきたんだと思って、本当に大丈夫なのだろうか。いくらしたのかを聞いてみると大体30万前後だったと言っていた。



その後もフルバケやら、ブーストコントローラーに、それを付けるにあたってのブースト計なども買い揃えていった。しかし、外装にはほとんど手をつけず、リアのスポイラーを変えたぐらいである。そして最近になるまでホイールも買っていなかったので、元の生活に戻りつつあると思われる。俺としては不健康な生活から脱してきているので良かった。



話しているうちに大阪が近づいていることに気づいた。



「おお、すごく夜景が綺麗だ」



『な!すげーきれー』



『本当に綺麗だな』



3人で通話をしながら夜の高速を駆け抜けていく。



走ること2時間半、大阪に着いた。時刻は深夜1時過ぎである。高槻ICで高速を降り、少し走ったところにあったセブンにクルマを停める。幸いにも24時間営業の店舗で助かった。



「腹減ったしなんか買うか」

「そうだな」

「俺肉まんがいいなあ」



2人ともうっきうきでセブンの中へ入っていった。



そのあと、俺たちはクルマの前で話をする。



「こうやってコンビニで走り屋が談笑してるって考えたら、なんだか90年代を思い出すな」

「いや、お前『90年代を思い出すな』って言ってるけど、お前この世に生まれてないだろ」

「そりゃまあ、確かに考えてみるとそうだな!!」

「はは…。冬馬って本当に馬鹿だよな」

「あぁん!?尚輝やんのかコラッ」

「まあまあ落ち着けよ」



俺は今にも殴り出しそうな冬馬を止めつつ二人の間に入る。





この3人での大阪の旅はとても楽しそうだ。







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