1st Road 首都高最高速編

SPEED.1 首都高最速

2024年4月23日。午前1時3分。首都高環状線、通称C1。「ヴォォォォ」「コク」「オゥゥゥゥ」


1台の34GT-Rが車の間をすり抜け、スラロームしている。「コク」メーターは260km/hを差している。タコメーターは9を示していた。


「うわぁ、怖いって。」もちろん高速なので一般車アザーカーもいる。マーチの横を295kmですり抜けたのでマーチの運転手はびびっただろう。しかし、そのマーチも離れていった。



周りの車好きから俺の34はブライアン・オコナーの愛車を買ったと思われている。映画を観た後にかっこいいと思ったのでそれを模倣した。



もちろん、ネオン管も付けて車の下は青く光っている。ロールバーも似たようなやつを付けたが流石に助手席ナビシートを外すことはできなかった。


大黒PAに行くとチューンドカーが勢揃いしていた。「マツダ・RX-7 (FC3S)」「日産・フェアレディZ (Z33)」「トヨタ・セリカGT-FOUR」など有名な車種ばかりだ。俺もめっちゃ興奮した。



それでも俺の車はたくさんの人が見に来ている。「その34、ワイスピに出てくるやつだろ?よく塗装したな。一人でやったのか?」



「えぇ、そうです。まぁ改造費は結構かかりましたけどね。」ネオン管を買うだけで諭吉が100人は飛んでったと思う。とんでもない。



デカールは大してあんまりかからなかったがエンジンに手を加えるだけでさらに100万以上かかっている。


ここまで仕上げるのに自分のショップをフル稼働させた。うちのショップでは日産車を主に扱っていて他にも色々な車をチューンしている。



そして、このR34は自分の中で大傑作だった。

ブライアンが乗っていたものにほど近くまで似せることに成功したからだ。だからこそ、


声をかけてくる人がいるのだ。なんでか知らんけど。「ヴォンヴォンヴォォ…。」ワインレッドの車が近づいてきた。


見たことのある34がこちらへ近づいてきた。それは尚輝の34だったのだ。「久しぶりだな。」と尚輝は声をかけてきた。彼も元気そうだった。


「走るか?」「あぁ、久しぶりに戦走バトルしたいと思ってたんだ。」「俺もだよ尚輝。」


言葉を交わした後、それぞれの車に乗り込み、

スマホで連絡を取り合う。「じゃあ、PAを出たらガチるってことでよろしく。」「わかった。」


「ヴォォォォ」「コク」ギヤを1ローに入れ、「じゃあ、出るわ。」「りょーかい。」


時刻は午前2時18分。日の出まで2時間程しかないので急ぐこととなってしまった。


最近は単独で走ってることが多かったから、なんだか楽しみで仕方がなかった。


俺の仕上げたこの素晴らしいブライアン仕様の34と尚輝が自分の力で仕上げて作った34同士のワンメイクレースとなった。


初めは後ろにピッタリくっつきながら走っていた。なんだろう。少し違う感じがしていた。


その後ろからWC34型のステージアが追いかけてきている。知り合いにステージアに乗ってるやつはいないから東京の走り屋だろう。


「ん?34同士のバトルか。横に並んで聞いてみようか。」するとそのステージアは横に並んできた。ジェスチャーでバトルに入ってもいいか?と聞いているようだ。


『いいよ。』俺は手招きで返した。車種は違うが同じ34なので別にいいと思った。ワンメイクレースもいいがみんなで楽しくやれる方がいい。


そして、ステージアはスピードを上げて前に出る。「負けてられんわ。」「コク」「オウァァァ」


負けじと俺も追いかける。後ろには尚輝の34がくっついてきていた。そのまま、ステージアを追い抜き、辰巳第一PAに入る。


「速いっすね。」「君たちも速かったよ。やっぱりRB26エンジンは最強だと思ったよ。」ステージアに乗っていた人の名前は中田颯太で歳は29らしい。「戦走バトルしてくれたお礼に何か飲み物を奢るよ。」彼はこう言ったのだ。


辰巳PAの自販機のところに行き、それぞれ缶コーヒーを買ってもらった。「ありがとうございます。」「いやいや、こちらこそありがとう。」


そう言って彼は辰巳PAを後にしていった。


「もう少し走るか?」俺は尚輝に聞く。「そうだな。明日も休みだし、お前は大丈夫なのか?」

「俺も明日は休みだからいいよ。」


明日の確認をしてから辰巳PAを後にした。









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