五話「そういう趣味は無いつもり。」
行くアテの無い迷える子羊である俺、
「ここがアタシん
俺が連れてこられたのは五階建てのマンションの2階の角部屋。表札は尾金になっている。
「…ここまでノコノコついてきておいて今更なんだけど、いきなりお邪魔しちゃってご両親とかになんて説明をつけるんだ?」
「両親はいないわよ。」
「…え、あ、ごめん。」
地雷かよッ!!選択ミスったわッ!!
「ん?ああ!違う違う!いないってそういうことじゃなくて!あ、まあ父親はいないんだけど、母親は実家にいるわよ。」
「…なんだよビックリした。知らず知らずのうちに地雷踏み抜いたと思ってヒヤッとした…。てか、実家?」
「そう、実家。ここから電車乗り継いで一時間くらいのとこ。アタシあの学園には
ああ、そういうことか。それならいきなり来てもあまり心配はn…
「…お前、一人暮らしって言ったか?」
「そうだけど?」
鍵を開けながら尾金は答えた。
「…はいっと、ようこそ。我が家へ。」
「待て待て待て!女子が一人暮らししてる空間に無関係の男が入っちゃいかんだろッ!!」
「…はぁ、その辺の話も中でするからさっさと入って。」
尾金に背中を押され、尾金の部屋に入ってしまった。待って。心臓バックバクなんだけど。女子の部屋に入るのは初めてだから緊張すr…
「その辺テキトーに座って。」
「わぁ汚い…。」
「うわ、めっちゃ失礼なんだけどコイツ。」
なんと言うか、足の踏み場が無い。座れ、座れっつったか?どこに?座れるスペースなんて無いが?
「…でさ、喫茶店での話の続きなんだけどさ。」
マジかコイツ。この状況で話続けんのかよ。
「見ての通りだから。掃除に洗濯、あと料理も。家事はアンタがお願い。バイト先も後で紹介してあげるから、毎月収入の30パーセントはアタシに渡すこと。んで、アタシの命令は絶対。これが守れるならこの家に置いたげる。どう?」
無茶苦茶な要求だな。月に10万稼いだとするとコイツに3万支払わなくちゃいけないのか。そのうえ家事まで。さらにここで世話になる以上はコイツの命令は絶対厳守だと?おいおい、随分と舐められたものだな。こんなの不平等にもほどがあr…
「了解しました。これからよろしくお願いいたします。」
「うむ!よろしい!」
断れるわけねぇ!俺だって尾金が攻略できないことに異を唱える者の一人だったんだ。こんなの、断れるわけねぇじゃんッ!!
「じゃあ、さっそく掃除ね。アタシこれからバイトだからよろしく!」
「一個質問していいっスか?」
「ゆるす。申してみよ。」
「ありがとうございます。質問なのですが、
「何その口調wまあ、嫌っちゃ嫌だけどやってくれたら助かるのは事実だし。さっきも言ったけど変なことしたら叩き出すだけだから。前フリじゃないからね。」
「了解っス。お嬢が帰ってくるまでに片づけておきやす。」
「あ、片づけてくれるのはいいんだけど、ちゃんとどこに何があるかわかりやすくしといてね、後で探すのメンドイから。」
「了解っス、いってらっしゃいませお嬢!」
「はいはーいw」
尾金はいそいそとバイトの準備をして出ていった。
「じゃあ、掃除すっか。」
それから、とりあえず尾金の部屋を掃除を始めたが、あまりにもゴミやら脱ぎっぱなしの服やらが多くて気が
ここまでで約18時半。4時間くらいは掃除をしていた。
だいぶ綺麗になったのでは?そういえば、片づけた後は分かりやすくしておけ、と言われてたっけ?確か駅の構内に百円均一ショップがあったはずだから、そこで
そんなことをしていたらいつの間にか20時を過ぎていた。
「…ただいまー。」
玄関から尾金の声が聞こえた。
「掃除、終わっt…ってスゴッ!!」
お気に召したようで何よりだ。
「うわー、こんなに綺麗なのここに引っ越して来た以来かも!」
そんなにやってなかったのかよ。そりゃあんだけゴミやらが溜まってるわけだ。
「てか付箋の量エグッw
「分かりやすくしとけ、って言ったのはお嬢じゃないっスか。」
「いや確かに言ったけどwこうなると思わんかったわwあははオモシロw」
「なんか、思ってたイメージと違うわアンタwなんか仲良くできそーじゃん?」
「それじゃ、改めてよろしくっスお嬢。」
これから俺が歩むのはゲーム本編にも存在しない展開。何が起きるかは全く分からないけど進んでみるしかない。
根取 夜郎として。俺なりのやり方で。
尾金の買ってきたコンビニ弁当を食べてその日は眠った。玄関で。え、寒いが?
<あとがき>
お疲れ様でございます、作者の
突然自我を出したのには理由がございまして、この「エロゲのNTR男に転生したので攻略対象外のNPCを攻略してみようと思います。」という作品はしばらく
作品の説明欄にもある通り、こちらの作品はカクヨム様での活動を始めるにあたっての試運転のための作品ですので、つまりこの作品の投稿頻度が下がるということは本命の作品の準備が整いつつある、ということです。
投稿しなくなる、というわけではございませんのでご安心くださいませ。思っていた以上にこの作品を気に入ってフォローしてくださる方が多くて正直なところ、投稿頻度を下げることが少々心苦しいのですが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
あと、これは聞き流していただいて構わないのですが、
フォロワー様とのイメージの共有のため、努めてまいります。
この作品のキャラたちの見た目が気になるなどありましたら、こちらの作品にコメントをお願いします。Xアカウントへは作者マイページから飛べると思います。フォローはしなくても大丈夫です。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
作品は終わりません。
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