〜過去編ボーイスカウト❼〜

カ「Wait,Ina,or abuse you on a rap.」

カリオペは重症だった。今船にある医療設備ではとても治療し切れない程に、今も尚痛みの中、夢に魘されている。

キアラは再生する能力があったのかカリオペの看護をして居る。

ぐらも又、大したダメージを受けていないのか、島中を巡って伊那を連れ戻せないか探っていた。

 

伊那は既に水平線と同化して居る。このままだと見失う羽目になる。

 

マリンは其れでも良かった。るしあが居るなら、他の女は別に要らなかった。

 

しかし、このままで良いのだろうかという不安はある。仮にも知り合い、こんなにも良い人なのに、果たして助けない訳にはいかない。

マリンはしばし考えると、箱の中に描かれてある呪文を母国語で良いから読んでみる事にした。

 

  世  知  賢  史  歴

 

  無  性  愚  経  験  

 

  闘  起  説  体  長  

 

  工  夫  肩  剣  尽  

 

  綴  連  道  理  情

 

何と読むのだろうか。

 

マリンは真ん中から訳す事にした。

(ええと…起きて性の愚かさを説く。体を経れば、剣は肩の太い大人の男に工夫させ闘わせ、無と世は賢く歴史を知る。長く尽きる感情を経験して、理は道が連なると綴る…)

正直、何処を読んでも風流に一考の価値はありそうだが、マリンはよりにもよって真ん中からフリックに右回りに読んだ。しかも漢文の読み方とかなり違うが、相当の訳になっている。

るしあが隣に座って顔を近付け、読み始める。

「歴は長きを験し、情を尽く。」

「?どういう事?」

 

マ「え?」

そうも読めるの?と言いたげなマリン。だが、直ぐに慣れる。

「擬人法だね。歴史なんて情がなくなる様に感じられる程長いものだよっていう感じかな。」

 

る「成程。ありがとうマリン。」

こんな時に二人してデート気分に浸る。

 

そんな折。

カリオペ

"uum…"

「はっ!」

カリオペが起きた。

"Is where Ina?"

小鳥遊キアラ

"Ina have gone over sea."

状況を説明するキアラ。

カリオペ

"Orz...I follow Ina,soon."

キアラ

"No,Kari.You should rest."

カリオペ

"No.I must follow Ina by myself.《一人で行くわ。》"

"I involve them,《巻き込んでしまうのよ。》when I release my ability《私が力を解放したら。》."

キアラ

"You should be longer."

カリオペ

"No..ouchi!"

どうやらどうにかする秘訣がある様だが、傷が思ったより広範囲に及んでいるのか、体力の回復が進んでいない。

カリオペ

"Kiara,you must send me."

キアラ

"No,Kari!"

カリオペ

"We go."

どうしても今直ぐ行かなければならないのだと、立ち上がるカリオペ。

キアラ

"Do we go,no matter what?"

カリオペ

"Yes."

 

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