大嵐
暴風はぺこランドも襲っていた。遠くに竜巻に乗ったサメの幽霊が見える見える。会議帰りの大空建設社長・大空スバルは、同じく建設会社の社長である兎田ぺこーらの後について行った。
ス「おい兎田ぁ!大丈夫っすか〜!」
著しく大きな声を掛けた。
ぺ「いきなり何しに来たんだぺこ。お茶は今出せねぇぺこ!」
後ろをついてきたと思しき社長仲間に一度の嫌悪感を抱きつつ、其れでも丁寧に対応して行くぺこーら。
ス「いや〜。丁度シュバリゲオン出動させるんだけど、それでも人員が足りて無くってさ。」
人数足りないんだよ〜、何て後頭部を撫でながら、まるで飲み会に誘うかの様な軽いノリでトンデモナイことを言い出した大空スバル。
ぺ「ウチに戦闘が卓越された奴は居ないぺこ。」
素っ気なく、先方の提案をお・断・り・す・る・自然な一手。ところが、
ス「いや、そうじゃ無くて、あるでしょ。うさ建巨大ロボット。」
近くまで来て漸くと言わんばかりに指し示した先には、つい最近まで建造に夢中だった愛ロボットの姿が。
ぺ「乗れって言うんぺこか?」
全てを察して無意識の内に肯定してしまうぺこーら。
ス「そうそう」
待ってましたと表情に声が乗っている大空スバルの程。
ぺ「ちょっと待つぺこ」
しかし否定はするのが兎田流。う〜んと唸っては、
「考えてみるぺこ」
と。
よくよく外を、見ると風の闇の中に紛れ込んだ鮫が、早過ぎる宵闇に鮫の幽霊が大量を通り越して、居る。
「 GURAAAAAAAAA –––––」
潮風が極大の台風と化す。其の勢いに呑まれまいと、桐生ココは一人、街の最も海に近い家屋の上から、海を睨み付けていた。否、正しくは、台風の目になっている箇所のあり得ざる竜巻、其の中心部に居るこれ又異質ながうるぐらを見つめていた−––––
ザザぁ ゴウゴウ ざっパッぁ〜ン
一際恐ろしい波が彼女を襲うが、音速を超える正拳突きでこれを打ち払う。
スッパーーン
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