第4話
夏の終わりのある日。
日が暮れ始めた頃に夕立…というよりも最近よくあるゲリラ豪雨が訪れていた。
せっかくの休日だったけれど夕方近くまで寝てしまったし、今も雨で外出は不可能になってしまった。
何もしないで終わるのは勿体なく感じて本を読む事にした。
少し気温も落ち着いてきたし、早めの読書の秋を楽しむ。
お気に入りは、有名な赤毛でお下げ髪をした少女の物語。
彼女の想像力は本当に素晴らしくていつもぐいぐいと引き込まれてしまう。
温かい飲み物を準備して、せっかくだから静かな音楽も流してみよう。
準備が出来た。
さあ、物語の世界に旅立とう。
座って本を開く。
外からは激しい雨音が続いている。
ページをめくるごとに物語に集中していく。
時々飲み物を飲んで、ゆっくりと時間が過ぎる。
物語の少女の言葉遣い、表現、とても美しいな…と感じながら読み進む。
終わりに近づいた頃、少女の大切な人が旅立ってしまう場面。
何度読んでもいつも泣いてしまう。
この日も流れる涙をそのままに読んでいく。
そして読み終わる。
たった一冊なのに読み終えた時の満たされる感覚は本当に心地良い。
時計を見ると数時間経って夜中に近かった。
雨は随分前に止んでいた。
軽く食事をしてお風呂に入ってベッドに入る。
たまにはこんな日もいいかと思いながら眠りについた。
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