孤児院の空
と背を押してくれていた
それは翼であって 事実
人を包むことも出来たのかもしれない
なのに私は 君は来られないだろう
と高みから何度も嗤ってみせた
きっとぜんぶ失うのはぼくの方だ
虹の架かっていた向こうの空が暗い
君はもう二度と 私と飛ぼうとは思わない
別の道を通り 別の橋を渡るんだろう
この翼は偽物じゃない 確かに飛べるよ
飛ばないと勿体がない 遠くへ行きたい
なんで堕落をするのだろう
なんで裏切ってしまうのだろう
かつて光の庭で 恋人を殺した日
渡り鳥が空いっぱい
飛んでいった景物詩
あの時の
何度も友達を裏切ったし
かつて恋人を裏切って殺した
今は飛び立てるはずの未来すら
裏切ろうとしている ああどうか……
神さまが与えてくれた
この真っ白な部屋いっぱいに広がった
孤児院の空
強い人がくれた今だけの孤児院
ここでぼくは床を踏み
ドラムスティックをギュッと握れば
この翼はなくならない と思い込む
きっと 裏切ってなんかないんだ
変わったんだ ぼくは変わったんだ と
一人 きり になっても
ずっとそうして 偽善をパタパタさせ
ゾッとするような低さから嗤い
お前は飛び続けるのだろう
祈り続けるのだろう
諦めず
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