秋のざわめき

涼しい風が

絡めるように笑う


その燈や木立の向こう

どこかへと走る

流れては消える電線の使徒が

叫び声を上げて通り抜ける


その逢いにいく化物は

今の私を乗せてはくれない


カタコトの幸せで

しっかりカーテンの閉められた

建物の中から歩いては来れない


先生私はまだここに居て

女にも男にもなれず


月日がただ父母と共に過去になるのに

あなたのところへと駆け抜けずにいます

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