第1話 マイクロビキニ

「のわちゃん、これ着てみない?」


目の前に差し出されたマイクロビキニを見て、僕はため息をついて椅子に深く座り込む。背もたれに肘をついて、無気力そうに見つめ返しながら、ため息混じりに話す。


「着るわけないじゃん…バカなの?」


そう呆れたように言って、目線をマイクロビキニから逸らす。こんな布切れ、着る意味あるの?普段の僕の服なんて、ダウナー系のだるだるしたトップスにスキニーみたいな、どこか力が抜けた感じの服装なのに。こっちはその真逆、色も形も全てが過激で、まともに布がないっていうのがちょっと…ね。


手の中でひらひら揺れるビキニ。極小の布地に、細い紐が絡まって、あまりにも露出が多すぎるデザイン。普段の落ち着いた服とは真逆の派手さで、どう見ても着たらろくなことにならないのは明らかだ。しかも、胸の部分なんてちょっと動いたらすぐにはみ出そうで、もうどうしようもない。こんなの、僕には全然似合わないのに…。

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