伊の虫も我も知らぬや明石だこ召さぬまにゆく朱陽の節は

の虫も 我も知らぬや 明石あかしだこ さぬまにゆく 朱陽しゅようの節は




(この虫も私も知りませんよ。明石だこも食べないうちに行く夏は知りません)


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※原典は『往生論註』より、曇鸞大師どんらんだいしの「蟪蛄けいこ春秋をらず、伊虫いちゅうあに朱陽の節を知らんや」という説法。


 長い間、土の中にいるセミは季節の良い春や秋を認識しない。比較対象を知らないから、活動時期である夏の暑さも知らない。物事の前後を認識しないということは、結局、今を知らないということ——の例え話。


 だから、セミは明石だこの旬が夏だということも知らないし、食べ損ねた私も夏が過ぎたことを認識していない(すっとぼけ)

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