昔々あるところでお爺さんとお婆さんが殺し合いをしていました。

ととと とい

昔々あるところでお爺さんとお婆さんが殺し合いをしていました。

むかーしむかしあるところでお爺さんとお婆さんが殺し合いをしていました。


「婆さん昔より腕が落ちたの〜。」

「爺さんこそ昔のキレのある動きはどうしたんですかね〜。」


お爺さんは20センチほどのナイフを軽やかなステップで振り回しながら。

お婆さんはお気に入りの銃に弾を込めながら。


そこはとある村の端。外から見るとただの老夫婦が住んでいるだけに見える昔ながらの日本家屋の中で日々行われている殺し合いです。


2人は昔、裏稼業として「殺し屋」をやっていました。

若かりし頃、2人の活躍はものすごくそれこそ指名手配されるほどでありまして、しかし強すぎた2人は誰も殺すことができず、2人に殺し合いをさせどちらか殺したものの指名手配を取り消すという結論に至りました。


そんな最強のお爺さんとお婆さん、2人の物語です。


〜〜〜〜


パッン!

お爺さんが眠りにつこうと布団に入った瞬間になった銃声です。


「爺さん。今のは危ないと思っただろう。」

「そんなまさか。読めておったわ。」


命のやり取りが日常であった殺し屋稼業。

お爺さん、お婆さんもこんなことは日常です。

そんな日々が始まり20年たったある日突然2人の元にとある依頼が飛び込んできました。


  依頼 鬼ヶ島にいる鬼の駆除、及びに盗難品の押収

  報酬 指名手配の解除、及びに押収品2割の報酬


という依頼でした。

20年間もの間、ずっと同じ相手と殺りあっており飽きていた2人に取っては久々の気分転換にちょうど良い内容でした。

そして報酬の内容「押収品の2割」というものを自分だけのものにするために鬼退治兼お互いがお互いを殺し合う冒険が始まりました。

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