LLEHEVENーヘルヘブンー

坂本

前奏 入学

 時はとある春の1日。


 『これより、我が【エデンの園】の合格者を発表する!!』


てんひとやは向かいに住む幼馴染で、良くも悪くも小さい頃から常に共に行動していた。そして高校受験でも互いに世界トップと言われるエデンの園を受験していたのであった。


ー事は二人が中学3年生になったばかりのある日の頃ー


獄 『て〜ん!、お前高校どこにすんだ?』


天 『隣にいるのに叫ばんでも良くない!』

  『うちはまだ決めてへんよ、そういう獄はどこにするん?』


獄 『う〜ん、まぁ無難にエデンかな〜』


 獄がそういうと天は椅子から転げ落ちる程驚いた。


天 『ゑ?!冗談そんなうまかったっけ獄?』


獄 『冗談じゃねーわ!本気だわ』


天 『でもあそこって音才ある人しか受けれへんよ?無理やない?』


 元々音才自体なかった二人だが天は地元ではと呼ばれ、どんな楽器でもプロ並みに弾くことができ天が弾く楽器から奏でられる音は天使の寝息とも言われていた。

 一方獄は楽器を演奏する才はないが作曲センスがずば抜けて高く中学1年時から天才ボカロPとして有名なアーティストに楽曲提供をしており、中学2年時には片っ端から依頼を受けては提供を繰り返して他の作曲家やボカロPの仕事を減少させた事もあり界隈からは仕事を奪う使と呼ばれていた。


 だが二人は一般人であり、世には音才という異能力がありその能力で近頃物騒な事件や国同士の戦争さえも起きようとしていた。そんな中で獄は国の抑止力兼名だたる音楽界の天才を養成してきたエデンの園に入学したいと思っていた。


獄 『作曲家として入れば良いんだよ俺は』


天 『え〜じゃあうちもエデンに行こ〜』


獄 『そんな簡単に入れる訳ねぇだろ!笑。それに天、お前勉強全然出来ねぇじゃん!楽譜も読めねぇし。』


天 『先生ならうちの才能見抜いて入学させてくれるんやない?笑』


獄 『お前なぁ、、、本気で目指すなら今から勉きょu』


天 『駄菓子屋行こーっと!!』


そう言って天は逃げるように部屋を出て行った。


その後、天が逃げて行ったのを追いかける様に獄も近くの駄菓子屋へ向かった。


ー駄菓子屋にてー


天 『お婆ちゃんいつものペペロンチーノ!!』


二人は小学生の頃から家の近くにあるこの駄菓子屋によく通っていた事もあり、お婆ちゃんととても親しかった。


婆 『おやまぁ、天ちゃん久しぶりねぇ〜』


天 『うちこの前も来たよ?笑』


婆 『あら!それはごめんね〜、はいペペロンチーノ。』


 そう言って天が駄菓子を食べているところに獄がやってきた。


獄 『お前なぁ出来ないことに直面した時に逃げる癖やめろよなぁ〜』


天 『別にうちは才能あるし?勉強せんくても生きていけるも〜ん。』


獄 『お前なぁ?』


婆 『まぁまぁ良いじゃない。あっそういえば二人にあげたいものがあるの!』


そういうとお婆ちゃんは二人を奥の部屋へと招き、埃を被った木箱を二つ取り出した。


     こっちが天ちゃんに、そっちは獄くんに。はいっどうぞ。



二人は埃を払い渡された木箱の蓋を開けた。


      すると、、、


天 『これはベル?』


獄 『なんだ?楽譜か?』


婆 『昔にね〜死んだ旦那が地面から掘り出したのよ。中身は私も今日初めて見たわね〜そんなものが入っていたのね。』


それを聞いた二人は多少の違和感を覚えたがお婆ちゃんからそれぞれ受け取った二人は獄の家に戻った。


獄 『なぁこれさなんだと思う?』


天 『楽譜やん、え?そんなんも知らへんの獄さ〜ん???』


獄 『お前なぁ、、、』


天 『はいはい笑。とりあえずこの楽器の女神こと天様がこの古めかしいベルも奏でてしんぜよ〜』


獄 『んじゃ、俺がこの楽譜を読み終わるまで奏でてくださいな』


天 『りょうか〜い』


すると二人は同時に貰った物に触れた。


  !!!!!その時!!!!!


二人 『?!』


物に触れた瞬間二人は互いにまっさらな世界を目にした。


ー真っ白な世界。ー  ー 真っ黒な世界ー


なにこれ?!     なんだここ?


獄〜!!       天〜!いるか〜!!


誰もいない、、、   俺独りなのか、、、


     二人が困惑している時


ー天視点ー



? 『貴様か我を自由にさせてくれるのは。クフフ、、、』


天の目の前にはウエディングドレスのような身なり、長く真っ白な髪、目は髪で隠れていて身長がとても高い、背中には白く大きな羽が生えているが片方がボロボロであった人?の様なものが立っていた。


天 『あんた誰よ?それより獄はどこにやったん!』


? 『フンッ、口を慎め人間。喋って良いのは我のみぞ。』


天 『なんだt、、、!?』


? 『声が出んじゃろ?笑、ここは我の世界じゃ我が望めばその通りになる。』

  『ところでお主、一つ我と取引をせぬか?』


天 『・・・』


? 『なに、そんなに警戒することはない。我はまた音を奏でたいだけじゃ。』

  『それに我と取引をすれば貴様はこの世界の音才と呼ばれておる物も手に入れられる。どうじゃ?力と引き換えに我にこの外の世界を見せる。都合の良い条件だと思わぬか?』

  『あぁ忘れていた、喋らせてやろう。』


そして天に声が戻る。


天 『あんたの目的、それだけやないんでしょ?』


? 『なにを喋るかと思えば生意気な。まぁ良い。』


  『我の望みは、同胞の”ヘル”を消すこと。』


それを聞き迷いなく天は答えた。


天 『分かったけど、うちも条件がある』

  『幼馴染の獄を傷つけないことそれとうちを世界一のアーティストにすること。』

  『そしたらその変なのを倒すのを協力してあげる。』


? 『こざかしい人間が。だがまぁ良いだろう。取引成立とゆこう。』


ー一方獄視点ー


? 『よう人間!やぁっと会えたぜ〜』


獄の目にはボロボロの身なりで腕が4本、ツノが片方だけありコウモリのような翼が片方破れていた大きな人?の様なものが写った。


獄 『誰なんだお前は?』


? 『おいおい、口の聞き方くらい分かってくれよぉ〜』


そう言った途端化け物は瞬時に獄の後ろに移動し肩に腕を置いた。


獄 『な?!』


? 『今お前の魂は俺の手の中だ。。だからよぉ〜?』

  『お前は俺の言うことを聞けゃいいんだよ。な?』


獄 『なにが目的だ?』


? 『話が早いね〜助かる〜。目的は一つだ俺と同じ存在、”ヘブン”を殺すこと』


獄はなんの躊躇いもなく返事をした。


獄 『分かった。』


? 『お!じゃあ取引成りt』


獄 『待て化け物、取引にはなっていない。それに俺は条件を提示していない。』


? 『ちっ、勘づかれたか。まぁいいじゃねぇか、俺の力をやるからそれで十分だろ人間?』


獄 『条件は二つ。俺を世界一のアーティストにすること、幼馴染の天に手を出さない事。』

  『誓ってくれるなら俺もお前の目的を叶える。』


? 『世界一がお望みか〜いいねぇ〜乗った。』


と話終わった二人は現実へと意識が戻ってきた。


天 〔今のはなんなんやろ、、夢?やないよな流石に〕

  〔獄に話すとバカにされそうやしやめとこ。〕


獄 〔こんなことがあるのか、、天を巻き込みたくないし今の出来事はまだ内緒にしておこう。〕


二人の間には少しの沈黙が起きたが、すぐに互いに話そうとした時動悸が走った。


二人 『ん!!』


ヘブン 『この器はもう我の物だ!!』

ヘル 『さぁ身体を俺によこせ!!』


二人の身体を奪った化け物たちは隣にいた人間を殺そうとした。


        その時


ヘブン 『ヘル!貴様!!そうか、、その体を憑代よりしろにしたのか。失敗したな我も。』


ヘル 『クソほど運がねぇな、、まさかお前が奪った身体がこいつの言ってた人間だったなんて。』


互いに契約した内容により双方手が出せずじまいで終わり、まだ力も不完全な事から乗っ取れる時間も短かった。


ヘブン 『互いにもう時期時間切れか、力が戻り次第貴様を消してやろう。』


ヘル 『同感だ。クソババアが。』


そうして二人の身体は戻ったが、今日まで互いにこの日の事はまだ秘密にしている。


ー現在ー

エデンの園の関係者が合格者番号が記載されている紙を配った。


獄 『018番、、まぁ当然合格だな。』


元々勉強ができた獄は過去の功績と音才の所持もあり合格した。


天 『010、、010、、あ!あった〜!!!!』


才能はピカイチで音才もある天だが勉強は不得意だったため、この1年獄にみっちり教えられた結果ギリギリ合格ラインに届いていた。


獄 『俺のおかげだな、感謝しろよな?笑。おめでとう天』


天 『獄のおかげや〜あ”り”がどう”〜』


天は色々と流しながら獄に感謝を伝え喜んだ。


そうしてエデンの園に受かった二人は世界一の音楽家アーティストを目指していく。


獄 『じゃあこれからは』


天 『どっちが世界一になるか勝負やな!!』


とある部屋で二人を見つめる影。


? 『これは世話を焼きそうじゃな、、、』



地音獄、国色天、エデンの園入学。





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