アザバラノスクナ考要約(現代語訳)

 しかるに、この神は、生きながら死んでいるのである。


 神が生きるとは、死ぬとは、どういうことかは、判然としないが、とにかくそうなのである。


 アザバラノスクナは生と死の隙間に、ぽつんと浮かぶ魂なのである。


 ゆえに完全に生きているモノと、完全に死んでいるモノを羨むのである。


 アザバラノスクナを信仰してはならない。この神は有害なモノである。


 信仰から離れたモノを信仰すれば、救われることなく囚われるのである。


 この神に何かを願ってはならない。


 願いは搾取され、代償は想像を超える。


 卑近な対策を述べるなら、一に近づかぬこと、二に知らぬこと。


 近づき知ってしまったなら、米と塩を絶やさぬよう。


 それらが白く在る限りは、猶予がある。


 アザバラノスクナと争ってはならない。


 共存することは、さらにならぬ。

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