異性との間に友情は成立するか(ただし相手はTS幼馴染み)

@daikin1192

異性との間に友情は成立するか(ただし相手はTS幼馴染み)

人生はなにが起こるかわからない。


 優秀な成績も、良い職に就いて安定した生活も、努力と根性と才能があれば何とかなる。


 しかし、気を付けていても飲酒した車が追突したり、雷が頭上に落ちてきたら、それは己ではどうしようもない。


 たまたま不幸だった。


 それで終わらせられる理不尽も起きてしまうものだ。




 そんな中二病チックな事を考えてた俺。


 まだ心の中で処理しているから大丈夫。中三で右目の魔眼と左腕の封印された魔王の疼きはもう治っている。




「なあ、これの次の巻取ってくれよ」


「自分で取れや」




 素っ気ない俺の態度にちぇーと言いながら、読み終えたマンガ本を置き四つん這いで本棚に向かう。




「なんで人の上を通るんだよ」


「あ? いちいちお前を避ける為に立ち上がるなんて面倒くさいだろうが。てかいつもしていることに文句言うなよ」


「……」




 確かに、俺の部屋にこいつが遊びに来た時は、寝転がった相手の上を跨いだりしていた。


 押したり踏んだりしたら文句を言うくらいだろう。


 だが、それは一週間前の話だ。




「よっと。クソうざってえな」




 四つん這いで俺を跨いでいくそいつは、しなやかに反った背中から男にはない│艶なまめかしさのある肩甲骨を流れてサラサラと重力に引かれて落ちていく自分の髪をウザったそうに雑にかき上げた。


 かき上げた腕は細く、体格からすれば大きめのTシャツの袖奥にある美しい曲線が見えかけたので、俺はソッと視線を下げた。


 それが間違いだと気づいたのはすぐだった。


 二つのメロンが包む布をパンパンに張らせてなっていた。いや大きさメロンでも柔らかさは固めのプリンだろう。腕の動きが伝わってユサユサと柔らかく揺れているのはフルーツで例えるのは無理。


 そして大きくて柔らかそうなたわわな二つを見ないのは、男には到底無理だった。




「にひっ。やっぱ見るよな~」


「……」




 ギギギと首から音を出しながら顔を上げると、髪をかき上げたまま、イタズラが成功しましたとニヤニヤしながら俺を見る女の顔があった。




「晴崇はるたかはおっぱい星人~」


「うらあっ!」


「うわっ!?」




 美人の脇と股の間……は変態行為にあたるので、膝と床の間に摩擦熱の痛みを我慢しながら手を入れて、万歳するように腕を持ち上げた。


 するとひっくり返す運動エネルギーを得た美人はゴロゴロと転がり。




「ぐわあぁぁああグヘッ!」




 女性が出しちゃいけない悲鳴をあげて、そいつは壁にぶつかった。その衝撃で近くの棚からいろんなものがボトボトと落ちる。




「俺には先祖代々受け継がれる言葉がある。【むかついたら即やり返せ物理で】だ」


「てめぇ、それ今作っただろう」


「今後、俺の子孫に受け継がれていくことになる」




 そう言い放って俺は立ち上がった。


 壁にぶつかり、逆さな状態でW字開脚の状態で話しかけてくる幼馴染みの親友から目をそらす。


『こいつ誘っているぞ』と、心の奥底から語りかけてくるが無視した。




「あ、トイレに行くならジュースでも取ってきてくれよハル」


「取ってきてやるから、その間に落ちたものを片付けておけよバカ伊織」




 え~、面倒くせ~と身体を上下逆転して壁に寄り掛かったまま、毛一本シミ一つないスラリと伸びた美しい脚をバタバタさせて抗議を上げている。


 脚の動きでハーフパンツがめくり上がり、股の根元ギリギリまで見えそうに……、いかんいかんステイしろ俺の○欲。


 不貞腐れた声を無視して部屋を出る。


 向かう先はトイレットペーパーではない。今も親同士で話し合っているリビングだ。




「おばさんと母ちゃんに女性の慎みを躾けるよう提案しよう。マジで」




 そうしないと俺がヤバい。


 両親達が話し合っているお題は『息子の│鼎かなえ│伊織君いおりが、娘の鼎伊織ちゃんになった件』だ。


 ふざけたお題で話し合っている親達だけれども、少しアホな本人が付けたのだからしょうがない。


 まあ、お題通りだ。


 生まれたときからのアホな男の幼馴染みがTSしてアホな美少女になってしまったのである。




 ∈∋




「TSしたらまずオッパイを揉むよな」




 いつものようにどちらかの家で漫画を読んだりゲームしてダラダラしていたら、テレビを見ていた幼馴染みの伊織がアホな戯言を言ってきた。


 アホでも家族と同じくらい一緒にいた親友なので、アホな会話でも付き合ってやる。




「頭は大丈夫か? そうか駄目か、大丈夫だぞ。おじさんおばさん俺の両親に友人、皆伊織は手遅れだとわかっているから」


「ハルてめぇ脳ミソを介さずに返事してんな」


「よくわかったな。最近アホすぎる会話には自動で返事が出来るスキルを習得したんだ」


「アホすぎてませ~ん。じゃなくて、テレビ見ろよ」




 伊織の指差すテレビはある病を紹介していた。




「TS病?」


「性別が変わるんだってよ」




 テレビの中では、最近突然男女の性別が変わる奇病が出始めたことを報道していた。




「だから揉むだろう。目の前にあるんだから絶対に」


「それ自分の身体の一部だろ。自慰行為みたいなものだから絶対にむなしくなるぞ」


「ならハルは揉まないのか」


「……揉む」


「だろ~」


「悔しいが揉む。いや揉みしだく。そして堪能しまくった後、己の一部と理解して虚無感におちいると思う」


「いや、そこまで詳細に言わんでも。でもそうか、相手に付いているからこその巨乳かぁ」


「自慰オナニーみたいなものだろ……」


「賢者じゃなく敗北者になりそうだ」




 むなしい語り合いをして、二人共に落ち込む。




「てか、伊織お前女になりたいわけ?」


「わけないだろう。テレビ見てたらTS病を取り上げてたから、巨乳になるなら揉むよなと思っただけだ。だから親友だから受け入れてやるか、みたいな悟った顔すんなっ!」




 そっち側になりたいのなら、応援してやるつもりだ。昔に比べて偏見はかなり緩和されていて、犯罪行為でもなければ幼馴染みとして賛成に入れてやる。




「おばさん達を説得すればいいのか? 女の子が欲しかったわ。アホな息子はもう飽きた。と言ってたから案外あっさりと喜んでくれると思うぞ」


「息子の俺が知らなかった新情報!?」




 俺は一人息子だぞー! と叫ぶ伊織。




「まあ、そのTS病? 宝くじに当たるより発症する確率は低いみたいだし、伊織が貧乳微妙顔の女子になることはないだろう」


「はぁ!? 俺が貧乳とか微妙顔になるわけないだろう! なるなら巨乳黒髪ロング美少女だ!」


「いやいや、お前の地毛赤毛じゃん」


「TS化したら一つぐらい願望を叶えてもいいだろうがよ!」




 これが一週間前に幼馴染み兼親友、鼎かなえ伊織いおり(男子高校生)と交わしたアホな日常会話だった。


 まさか、それが男伊織との最後の会話になるとは想像にもしなかった。




 翌日から伊織は風邪を引いたと学校を休み。その夜に緊急入院することになる。


 状況わ知りたくて伊織の両親に聞こうとしても、病院にいるのか自宅にはおらず。


 不安なまま数日経って、親から伊織の状況を教えてもらった。


 家族ぐるみの付き合いがあるため、親同士で連絡は取り合っていたようだ。


 『今は伊織君のことは話せない。命の別状ではないが、昏睡状態で晴崇はるたかにどんな状態か知らせると、目覚めた時に伊織君がショックを受けるかもしれないから伝えないで欲しい』と、伊織の両親から言われたらしい。


 これを聞いた俺は、身体的に異常があったのかと考えた。声が出なくなる、目が見えなくなった? もしかすると脚が手が全身が……。


 考えが沼に沈みかけていると、親に戻って来たときは普通に接してやれと言われた。


『これからも俺は伊織の親友だ』


 そうハッキリ言うと、親達は嬉しそうに笑った。


 後で理解した。あの笑いは、面白いことになるわー。でも爆笑したらバレるから我慢しておこう。の引き攣った笑みだったのだと。


 TS病でアホな話をしてからちょうど一週間後。


 日常生活には問題ないと医者のお墨付きを得た、伊織の退院祝いに両家で食べに行こうと決定し。一度、俺の自宅で集まってからとなった。




「オッパッピ~! イケメン伊織君改め、超絶巨乳黒髪美少女伊織ちゃんになってアイルビーバックしたぜっ!」




 一週間、心配で軽く寝不足になっても、親友の帰りを待ち望んでいた俺の目の前に現れたのは、だぶだぶの男物のTシャツとハーフパンツを着て、やけに香ばしいポーズをとる巨乳黒髪美少女だった。




 まず伊織のおばさんが伊織を名乗る女をはっ倒し。こんなになってもハル君の幼馴染みのアホだから見捨てないでと、おじさんも揃って土下座された俺は、ああ、アホは超低確率のTS病を当てやがったんだなと理解した。


 退院祝いの食事会は延長になり、両親達はそのまま『息子の鼎かなえ伊織いおり君が、娘の鼎伊織ちゃんになった件』、別名『女の子なのにアホすぎて周囲迷惑を掛けるからどうしようかな件』な話し合いに突入した。


 アホな伊織が加わると、清楚な伊織のおばさんの印象が反転しそうなので、伊織は俺の部屋に隔離されることになったのである。




 伊織に片付けを指示して、俺は両親達のいるリビングに向かったが途中で立ち止まった。


 そのままで行けない状態になっているためだ。


 いくら女に変わっても伊織は物心ついたときから一緒にいた男の幼馴染みで、友情を深めてきた。 


 だけど、外見が巨乳美少女になってしまったら、ほら俺は男子高校生です。もちろん性欲は男子高校生並にあるのです。


 短い時間だが女伊織と一緒にいてわかった。


 女になっても親友は親友! 恋愛感情なんて一欠片も湧かん!


 でも欲情はする! 勘違いするようなイタズラからかいをされたら間違いで手を出しかねないのだ!


 お母様方には女性の常識を絶対に教え込んでもらわないと!




 ∈∋




 翌日の朝。




「はよーぜ」


「俺は親友の母に裏切られた」


「なに朝一から人の母親を裏切り者扱いしてんだよ」




 こう小文字オーとアールとゼットみたいに地面に手をつき跪きたい。汚れるからしないけど。




「なんだよう。休んだ一週間は特別に免除してくれるらしいから早く行こうぜ」


「今どき高校生で皆勤賞を狙っているのはお前ぐらいだけだと思うぞ。ところで」


「ところで?」




 学校に行きたくてたまらないのか、その場で足踏みし始めた女体化親友伊織。


 こいつ自分が登校したらどんな大騒ぎになるかわかっていない……。いや、皆驚くわー♪ ぐらいにしか考えていないだろう。そして親友の俺が割にあわない苦労をするのが、わかってしまう。


 でもそんな後の問題は置いて今の問題を解決しなければならないだろう。




「なんで男子の制服を着てきた」




 俺の前で早く登校したくて足踏みしている伊織は制服を着ているが、それは男子生徒のブレザーだった。


 下はスラックスの裾を折り曲げて穿いていて、上は男女のデザインはあまり変わりないのに肩幅やいろんな箇所がだぶついて合っていない。いや、一カ所だけ胸はパンパンにピッチリしていた。




「ハル」




 指摘すると伊織は足踏みを止めて、こちらを無表情で見てきた。


 黒髪ロングで前髪は綺麗に整っており、小顔でスッとした顔の輪郭。雪のように白い肌の上に薄紅色の唇が彩りを落としている。高くスッと通っている鼻筋は女性の理想かもしれない。


 そして無表情なのに意思強めに見える目が俺をまっすぐ見つめる。




「俺の外見は超が付くほどの美少女だ」


「一気に聞く気が失せた」


「まあ聞け。美少女でも中身は身長175のすね毛を処理しないと女子にモテないかもと考えていた性春真っ盛りの男子高校生なんだ」


「あ、もういいです。聞きたくないです。想像したくないです」


「今の俺が女子の制服を着ると、身長175の青年がスカートから筋肉質の太股を生やして、すね毛をもろ出しして絶望する感覚なんだわな」


「えろえろえろえろ」




 男の頃の伊織(身長175、体格スポーツスレンダー系)が女装している姿を強制想像させられて吐きそうなった。スカートからのすね毛はありない。




「わかった。服装については後で折り合いを付けてくれ」


「俺だってさすがにこのままじゃ駄目と思うけどさ。あの本気で嫌な罰ゲーム感はちょっと無理だった」




 漫画でTS化してすぐに女装出来るのはフィクションだったようだ。


 二人並んで歩き始める。




「皆は驚くよな」


「驚かなかったら、おかしいだろ。クラスメイトの性別が変わっているんだぞ」


「ハルも目を見開いてビックリしてたし」




 ニシシとイタズラの成功に喜ぶ伊織。




「いやあれはアホな女が不法侵入してきたのかと、混乱状態に陥ってフリーズしたんだよ。伊織のイタズラとは一欠片も思わなかった」


「家族みんなで迎えるんだから俺しかいないじゃん」


「お前、本人と認識される一番最初が性別だということを忘れたのか。コッリゴリの男子高校生が女に大変身なんてわかるか」


「あー、確かにこんなの付いてたらわかるわけないよな」




 伊織はおもむろに自分の胸に鈴なりに生る二つのメロンを揉みしだく。


 ブレザーとシャツの上からでも細くなった白魚の指の形にめり込んでいく。どうやらメロンズは低反発枕ように沈む素材でできているようだ。


 ただでさえ男物のブレザーを着た美少女で目立っているのに、更に男の本能をくすぐるどころか雷撃を喰らわせる行為を実行中の伊織に、周囲のポックリ逝きそうなお爺ちゃんから、性に目覚めていない年の小学生男子の視線を集めていた。


 神さまお母様達よ。早急に女性の常識をインストールして下さい。え? 脳の容量がアホすぎて難しい? そこを何とかー!




「おっととっ」




 俺が神達に相談の交信をしていると、伊織がなにもないところで躓きかける。




「どうした?」


「いや、まだ身体が軋んだりしてな」




 心配する俺を伊織は手を翳して止め、確認するように全身の関節まわした。




「なんか男だった頃のいらなくなる部分を変化させた後遺症で、しばらくは少しきつめの筋肉痛が起きるんだと」


「ああ、そんだけ変わるのになにもリスクがないわけないよな」


「体重の一部は変化のエネルギーに使われたから減ったらしい」


「魔法みたいなTS化といえど、質量保存の法則は無視のか」




 質量保存の法則? と首を傾げる伊織の頭が心配になる。




「さらにこの巨乳は10センチも犠牲になった俺の身長から造られていて、身体のバランス感覚はいまだにおかしい」


「そんな重そうなモノを二つも、今まで無かった場所に付けばそりゃそうだ……」




 納得しかけたところでふと気づいてしまった。


 猫背なのは巨乳あるあるとネット見たことがある。筋肉痛で全身がプルプルしているのもわかる。


 では意識的にやってるとしか見えないほど内股気味になっているのはどうしてでしょうか。




「気づきやがったなこのスケベ」




 自分の下半身に見られているのに気づいたのか、伊織に指摘された。


 ただし、恥ずかしがっているような気配は微塵も無く、平坦な、ナニかを喪失した漢おとこの感情が込められていた。




「俺のマイビッグサンはな」




 前にトイレで見たときはビッグではなかったが、伊織の残酷な運命に指摘しない。


 あぁ、聞くのもツラいよ。だって俺も男の子だもの。




「チョウチンアンコウのオスみたいに、女の子の部分に分解吸収されてしまいました。おかげで歩き始めはいいけど、しばらくしたら大切なモノが喪失した違和感で、無くなった部分を埋めるように内股になるのです」


「おおぅ……」




 両手で顔を覆って嘆く伊織に声を掛けられず、俺は天を仰いだ。


 いつの間にか俺も内股気味になっていた。




「そんな調子ならもう少し休めばよかっただろうに」


「バカ野郎。昨日までは休んだのは特別に無効にしてもらったんだ。今日から登校しないと皆勤賞が取れねえだろうが」


「アホだ。冬でも半袖の小学生よりアホだ」




 学校に連絡してもらったときに伊織が真っ先に聞いたのが皆勤賞のことをだったらしい。本当に中身は高校生なのか?




 自覚するとダメだったのか、伊織は更に猫背になって筋肉痛の震えもおおきくなり、内股気味がもっと内股になる。




「しょうがないな。ほら掴め」


「?」




 差し出された腕に首を傾げる伊織。




「杖代わりになるだろ」


「……ヘッヘッヘッ。わりぃな」


「その顔でチンピラ風味の笑いは止めろ」




 なにが嬉しいのか笑顔で、伊織は俺の制服を掴もうと手を伸ばした。




「「あ」」




 きちんと歩みを止なかったのが悪かったのか、伊織は再び躓く。


 伸ばした手は俺の腕の内側を通ってしまい。




「うぎゃ!」




 体全体で伊織は腕に掴まってきた。


 男だったら俺も一緒に倒れ込んでいただろうが、小柄な女の子では身じろぎもせずに受け止められる。




「でへへ、いや~ごめんごめん」


「いやしょうがないから気にすんな。それより……」




 女の子らしさを伊織に求めるのは今は諦める。それよりも気になることが一つ発生した。




「伊織……なんでお前はブラジャーを付けてないんだ」




 伊織が自分で揉みしだいている時点で気づくべきだった。ブラジャーを付けていれば、あんなに沈み込むなんて無理なのだ!


 そして俺の腕は二つのメロン気のマシュマロ、いやぷるんぷるんと張りを持つゼリーの間にすっぽりと挟まれていた。




「あ? あんな恥ずかしいのを着けてられるか、男だぞ俺は」


「外見は女の子だろうが!」


「まてまて、それは自覚している。上着を着ているとはいえ、シャツを透けて見えたからな」


「からな?」


「絆創膏を貼ったぜ。大きめのやつを二枚張りだから防御力は倍だ!」


「今すぐ戻れやアホ伊織ー!」


「グギョホッ!?」




 頭頂部にげんこつをお見舞いすると、美少女にはあるまじき声が鳴った。


 首根っこを掴んで引き摺りながら自宅の方向に戻る。




「グヘッ! 待ったハル! シャツのボタンが弾け飛びそう! 巨乳が弾けて見られるぅ!」




 アホが何か言っているが無視した。


 俺は中身だけじゃなく、身体も元気な男子高校生なのだ。


 腕を挟まれる程のメロン級に腕が埋もれたら、一部が元気に形態変化したのだ。


 アホ伊織のお守りと、精神を落ち着かせるためには早く家に戻りたい。




「まろび出るぅー!」




 難しい言葉を知ってるなこいつ。




 ∈∋




 これは友情と恋の狭間で揺れ動く二人の物語。


 ではなくて、佐ヶ谷さがや晴崇はるたかが幼馴染み(元男TS化)の鼎かなえ伊織いおりに、マジ友情しか感じていないのに欲情するのを抑えなければならない、忍耐という精神力を試される物語である。


伊織ちゃん「次は魔法少女か」


ハルハル「お前は男に戻りたくないのか」




ピコン!


➡すぐに着替えて登校成功!


もう一つの選択肢はノクタ【性欲編】異性との間に友情は成立するか(ただし相手はTS幼馴染み)、で


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