【更新中】神様のせいで異世界(電脳空間)に来ちゃったヨ
くるみXXX
こんにちは電脳世界さん
第1話 バッドエンドの始まり1
「ふわぁぁ……って今何時……?」
暖かな太陽の日差しで目が覚める。時刻を見ようと隣の机にスマホを取り出そうとベッドに横になりながら手探る。
「あれ?カスってる?」
ベッドの左側すぐに丸テーブルを置いてあったはずなのに。今の俺の手の状態はただ上げ下げしていた。この違和感をきっかけに俺の視界のピントを戻していく。
目の前には一面の緑が広がった草原と少し先には大海原があった。もはや田舎というよりかは童話のような感じだった。
「……外?」
おかしい。なんで外にいるんだ。昨日は確か……13時ごろに大学の講義が終わって寮に戻って。バイトして帰ったら風呂入って寝たはずだよ?
……もしかして、ボケた?
「すいませーん、それ私のせいですー」
不意に声が聞こえてきたので振り返ると白の漢服を着た男性がいた。整った顔立ちをした白色の長髪にカラコンらしき黄色の猫目。
「えっと……あなたは?」
「私、神というものなのです。実はあなたに用があるものなんです。あっ横のままでいいですよ」
立ち上がろうとすると男性が俺を気遣ってくれたのか安静のままでいいことに許してくれた。
まぁ、一言で言うならば「だろうね」。こういうのって大抵神様とか、アイドルとかのパターンだよね。
…………神?
「んんん?今……なんと?」
「神様ですよ。ほら、ラノベ読んでいたんでしょ?君の読んでいたのはギリシャ神話のようだったね」
ラノベに登場とギリシャ神話というワードを言われるとしっくり来た。ほぉほぉ、宗教って噓の集団じゃなかったんだなぁ。
……いや、それよりもなぜ神様がここにいる?ラノベ展開だったら、もしかしてここ天国っすか?俺は神と名乗る相手に不信になりながら勇気を振り絞って聞いてみる。
「……それで、なぜ神様が私に用があると?」
「えっとですね、あなたに現状について謝罪がしたいのです」
謝罪……ですか。神様が俺に謝罪を求めようとする関係にますます気まずくなり始めたんだけど。まさか……すでにフラグ立っている系?
「あなたが起きた時に部屋の中から外に変わっていたの、実は私のせいなんです」
はぁ……俺は何とも言えない不快感に頭を悩ませ始めたよ。
「昨日あなたの様子が気になってこっそり隠れてみてみました。そうですねぇ、あなたが帰ってきて扉を閉めたごろから」
俺はその言葉に一瞬立ち眩んだ。めまいと思い、何とか耐えつつ視界を正常に戻していく。正常に戻った時、無意識にため息を一つ吐いた。おい、ストーカー行為というものを今まで知らなかったのかい?
「…………はぁ。続けてください」
「それでそのあと、あなたがゲームをし始めたのでちょっとだけ覗いてみました」
「ん?やっていたっけ?」
俺は頭の中のかすかな記憶を頼りに頭を巡らせていく。なのに……記憶がない。
「SGO、やっていたでしょ?」
「SGO?……、あ」
SGO。通称ソード・ガンコード・オラクルマスター。全世界で3億5千万ダウンロードされている王道ファンタジーRPG。自分でアバターと能力を作り無双していくというスマホゲーム。大学生になってから1年経過している俺の推しゲーム。
「そこで私は思ったんです。“君がSGOの世界に行ったら、ラノベのようにチート級の能力が使えるようになるのでは!?”って」
「初対面で斜め上の発言言うのやめよ?震えが止まらないよ?」
「急がば回れ!ということでやってみたのですが……さすがにやりすぎましたよね……ごめんなさい」
神様は実がしぼんだような顔をうつむく。
それに対して俺は、神様のいかれた発言に俺は開いた口がふさがらなかった。やりすぎにも程があるよ。
「やりすぎたという次元超えてるからねぇ。う~ん」
「あの、もしかして……鬱になったりしませんよね……?」
神様の声がしたので面と顔を合わせる。そこにはおろおろと涙目になりそうだった。
なんだろう……可愛い。この可愛さに自然と悩みが浄化されていくような気がした。これが噂の神様スマイルね。
思い出したから言っとくけど、俺は「ソッチ」側は興味ないよ。ちゃんとした異性と付き合いたいな。
おん?ご希望はあるんか、って?そうだなぁ、俺より年上だったらいいかな。
俺はため息をつくと神様に向かって腰を下した。
「まぁ、まだ許してないけど……俺の願いを叶えさせてもらえれば、少しは軽くしてあげようかな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます