第10話 人の神経逆撫で事件

それから半年くらいして、その料理が出来ない彼女は彼氏さんと婚約をしました。

勿論おめでたいです。

しかも、相手は調理師免許を持っている男性で、主夫になってくれると言います。

彼女は会社を続けられるし、苦手な家事は全部やってもらえるし、

今時主夫とか、女性が大黒柱とか、珍しくも何ともないし、

こんな良い話は滅多にありません。

神様ってうまく取り合わせてくれるんだなと、

私もみんなも微笑ましく思っていました。

社員全員で祝福し、笑顔で

「幸せになったね」

等、言っていたら

例のあまり細かい事を気にしない女性上司がやって来て、

厚顔無恥な顔でこう言いました。

「あたし、あなたは家庭を持ちたがらない人かと思った。

浮いた話のひとつもないし、男嫌いなのかと思った」


婚約した彼女も、周囲も、絶句するしかありませんでした。

どうしてこうまで人の神経を逆撫でするのでしょうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る