男戻り計画

7話 友達を作りたいんだよ…!

祝新章^^


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4月23日(火)


『友達を作る』


とは言ったものの、どうやって作ればいいのかなんて分からない…土と石を合成すれば友達ができる…なんて錬金術のように作れる訳がなく。


登校しながら瑠奈に聞いてみても、


『意識した事が無かった』


とか陽キャ発言が返ってくる。そんなポンッて作れたら苦労しないんだけどなぁ…陰キャには荷が重い…



下駄箱に着き、自分の下駄箱を開けようとしたら中でカサッって音が聞こえてきた。

虫…!?!?とも思ったけど動いている様子はない。

恐る恐る開けてみると中から大量…30ぐらいの封筒?が出てきた。よーく見てみると全部僕宛ての手紙の

ようです…


「…瑠奈、これなんだろう…いじめかな…」


「ん?未来ちゃんどうし…あー…」


変なところで瑠奈が区切る。やっぱりいじめ…?


「うーん…そうだね…1回中見てみたら?」


と提案されたので大量の封筒から、1つを選んで開けてみる事にした。横…いや上?から瑠奈も覗き込んでくる。ゆっっくり…開けてみると中からは1つの手紙が出てきた。呪いの文章だったりしないよね…?


『放課後、体育館裏にて待つ。』


たったそれだけの文書…いや果たし状?

ヤンキーに目を付けられた…?

体の震えが止まらない…震度にして6ぐらいかな…?

念の為他の封筒も確認してみる。結果は34枚中34枚が

果たし状だった。そう全部です…集団のヤンキーに

目を付けられちゃったみたいだよ…



その日の授業は果たし状が脳の8割を占めたせいで

全く頭に入ってこなかった。

当然『友達を作る』の目標も忘れていた。

そして遂に放課後…

ボディーガード囮&肉壁役の瑠奈を連れて体育館裏…いや僕の墓になるであろう場所へと向かう。


「お兄ちゃんってほんと鈍感だよねぇ…」


道中罵倒されながら…鈍感…?

気づけば決戦の場へと着いていた。



そこには全員で人クラス分ぐらいの人数が。

中にはクラスメイトも居たが、大半は知らない人だった。なのだが、予想に反して襲ってこない。

それどころかその集団全員モゾモゾしている。

統一感がない…?素人目から見ても統一感というか

ヤンキー特有の威圧感が無い…

何故か急に「俺が先だ」とか「いや俺が」とか口論に発展して、遂には暴力にまで発展した…なんで?仲間割れなんで?

死をも覚悟してきたのに拍子抜け…というか誰1人

として僕に対して敵意を向けてこない。

この人たち本当にヤンキー…?

そんな事をボケーッと眺めながら考えていると勝負に

勝ったらしいヤンキー(?)がこちらに近づいてくる。


「佐藤さん。僕と付き合ってください!」


「へ?…?え?」


そこで僕の意識は途絶えた。



養護教諭保健室の先生の朝は早い。し夜も遅い。

この学校の場合は7時半には着いてないといけないので、起床は5時半。

当然この仕事に不満を感じないわけではない。

だがそれ以上に生徒たちの笑顔を見れる。それが1番のやりがいなため、辞めたいと考えたことは1度もなかった。

今日は火曜。生徒は授業が終わり、部活に所属していない生徒はおそらく帰宅したであろう時間帯。

保健室で書類を作っていた。のだが…誰かがドアを

ノックしている。急いで開けに行くと、この学校では有名な佐藤瑠奈と…もう1人の白銀の髪をした少女が居た。居たと言うより、佐藤瑠奈に背負われている。

佐藤瑠奈の様子を見るに、この子の事で保健室を訪れたのだろう。


「あの…!妹が急に意識を失っちゃって、多分ビックリしただけだと思うんですけど…ちょっと寝かせて

あげられませんか?」


「もちろんです。すぐに寝かせてあげましょう。」


ベッドにその子を横にさせようとした時気がついた。

とんでもない美少女だと。

それに私の百合発見センサーがビンビンに反応している。『これは姉妹百合の関係だ。』…ご馳走様です。

いかんいかん…意識を失ってるんだったらそっと寝かしておいてあげないとね。



「ん…ここは…?」


見慣れない白い天井。これは病院…!?

では無いらしい…どうやらここは保健室のようだ。

時計の方に目をやると時間は4時を示していた。

おそらく…?気を失っていたらしい。

気を失う前に何をしていたか…あぁ告白だ!

同性に告白…いや今は異性なのか…?

まあどっちにしろ、いきなりの告白にびっくりして

意識が飛んだ…って感じかな?我ながら弱すぎないか?流石に。男の威厳なんて1ミリもない気が…

というかそもそもなんで告白なんだ…?

告白するにしても瑠奈の方がよっぽど可愛くて優しいのに…センスないんだなぁ…


「お…佐藤さん起きましたか、お姉さんも傍で眠っているので起こしてあげてください。

それと、体調の方は大丈夫ですか?些細の違いでも

あれば教えてください。」


「いえ、体調の方は特には…」


そう言いながら、瑠奈のことを軽くつねりながら起こす。痛みで起きたらしい瑠奈がこっちを見て目を丸くする。


「お、お、おに…未来ちゃん起きたの!?体調は?大丈夫なの?急に倒れるからびっくりしたよ〜…!」


瑠奈が涙目になりながら僕のことを軽くポコポコ

叩いてくる。

瑠奈は本気で心配していてくれたらしい。本当にいい子だなぁ…

瑠奈の頭を撫でながら先生栄養教諭の方を見てみると、何やら両手を合わせて何かをブツブツ言っている。何をしているんだろうか…


「私としてはもっと貴女達のいちゃらぶを見ていたいところだけど…私も仕事が有るから落ち着いたら帰って下さいね。」


先生栄養教諭の迷惑になるのは嫌だからさっさと

帰らないとね…

瑠奈の手を引っ張りながら保健室の外へと歩き出す。


「失礼しました。」


ドアを開けるとそこには…ヤンキー(笑)の集団が…

見なかったことにしてドアを閉めた。うん。何も見てない。

そしたらヤンキー(笑)の1人がドアをこじ開けてくる。力強すぎないか?いや…僕の力が弱いのか…

抵抗も虚しく遂には開いてしまったドアから

ヤンキー(笑)がゾロゾロ雪崩込んでくる。

当然先生が黙っているはずが無く…


「お前達!百合の間に挟まるのは古事記より禁止

されているのよ!早く出てきなさい!」


と、有り得ない怪力でヤンキー(笑)の群れを押し戻していく。というか、百合…ってなんだろうか…?

まあおそらく、そこまで大事な物では無いだろう。

今度瑠奈にでも聞いてみるか…


『『『『『未来…俺…付き合…え』』』』』


と、廊下の外から聞こえるが、聞かなかった事にしよう。というかまともに聞いていたら、ただでさえ

今身体が震えて大変なのに、また気を失ってしまいそうだ…

そこで動いたのは頼れるだ。

急に僕を抱っこしてきた。強行突破をしようとしてるらしい。


「未来ちゃん、ちゃんと掴まっててよ!」


まじで無理やり行くらしい。…頭のネジ足りてないんじゃないか…?


「うわぁ…えぇ…?」


ドアを開けて飛び出すと、そこには…死体の山が転がっていた。いや、死んではないだろうが、

ここでさっき体育館裏の時のような殴り合いが発生したのだろう…何がそこまで君たちを動かすのか…

不幸中の幸いなのはここが保健室の前だということ。

先生は文句を垂らしまくるだろうが…


まあとにかく、これなら抱っこされずとも行ける…

と、下りようとしても、瑠奈が下ろしてくれない。


「まださせて…」


と、返ってくる。歳下の妹に抱っこされる兄(笑)

とか恥ずかしすぎるんだけど…



結局下駄箱まで抱っこされたままだった。

道中通りかかった人から白い目…というか温かい目?

で見られたけど…

まぁ早く帰ろう。と下駄箱を開けると…


「またかよ…」


そこにはまたもや大量の果たし状ラブレターが入っていた。


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男に戻ってハッピー!な終わりにするか、

女のままだけど楽しいからハッピー!な終わりにするか悩んでます…もし良ければコメントの方で見たい方を教えてくださると、多分投稿頻度が伸びます…

伸ばします。


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