004 ~したかったけれどできなかった~
以前勤めていた会社の研修資料シリーズ、その二。
「したかったけれど、怖くてできなかったこと。」
この「怖くて」というところが問題だ。
僕の中では2つの意味がある。
①ホラー映画
子どものころ、リングだったか螺旋だったか、
一人で見たら200円上げると兄に言われて、
意気揚々として見たことがある。
その当時ホラー映画なんて見たことがなかったから、
どういったことが怖いかわからないはずなのに、
「あっ、この後怖いの出てくる!」
というアンテナだけは敏感なのが人の不思議だと思う。
結局、一番怖い部分は目を閉じて見てはいない。
怖くてできなかったということだ。
その後兄からもらった200円は、どう使ったのか覚えてはいないけれど、
後味の悪い200円だったことはよく覚えている。
②ピアノ
これは大学生の時だ。
当時mixiというSNSがあって、そこに参加者募集中というスレッドがあった
。
とある街のカフェが主催者で、集まった人でピアノを弾こうというものだった。
高校生の時から独学でピアノを練習し始めた僕は、参加しようか迷っていた。
「上手く弾けるかわからない。いや弾けるだろう。でも一音でもミスったら……。」
そうして迷っている内に3日、1週間と経ち、結局参加することはなかった。
これもやはり、怖くてできなかったことだ。
それぞれの怖いという意味合いがだいぶ違うけれど、
自分の心臓が、今まさにここで動いている、
ということを実感するほどの鼓動を経験したことはこれ以外にはない。
行動に移せなくなる。
一方で、「したい」という感情も確かにある。
どうやら期待と恐怖は表裏一体らしい。
人間の心理って面白いと、つくづく思う。
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