ごしゅじんさまのためにゃらば🐾 【ASMR G‘sこえけん】

みちのあかり

第1話 こんな日常

――私はいつも部屋の中。

――いつ帰るか分からないご主人様を待っているの。

――だって・・・


――私の世界には、私とあなたしかいないのだから・・・


――大好きですよ。ご主人様。


 コミカルなメインテーマが流れる(ME フリー素材可)



 スース―という寝息の音が三セット。

 寝息に被せガチャッという鍵を開ける音。(SE)


――ふにゃっ! 帰って来た!


 タタタタッという軽い足音SEに被せ、金属の扉の開く音。(SE)

 胸に何かが当たる音。(体を叩く)

 一歩後ずさりする音。(SE)

 

――お帰りにゃさい!


 頬を舐め続けるリップ音。

 抱きしめるついでに出る衣擦れの音。(服をこする)


――ん。そんなに強く抱きしめなくても(照れながらも嬉しそうに)


――逃げませんよ。お帰りなさい、ご主人様! 大好きです!


 ほのぼのした曲が流れる(ME フリー素材可)



 ガス台の上のホイッスル付きケトルが鳴る音のピーという音。(SE)

 ガス台のレバーを回して消火。(SE)

 カップラーメンにお湯をそそぐ。(SE)

 キッチンタイマーをかける音。(SE)


 その間、にゃーにゃーと猫の鳴き声がきこえる。


 料理完成と同時に、曲が終わる。




――ご主人様。カップラーメンですか? またそんな栄養の偏った食事をして。


 抱きしめる衣擦れの音。(服を擦る)



――給料前だから仕方がない? 

 耳元で話す。

 耳を舐める。(リップ音)


 思わず離されて床に落ちる静かな足音。(SE)


――だったら私の食事、猫缶じゃなくてもいいのですよ。

――カリカリのヤツでも文句なんか言いません。


 猫缶を開ける音。(SE)

 お皿に開ける。(SE)


――知ってますよ。カップ麺より猫缶の方が高いって!

――もう・・・私の毛艶より、あなたの健康の方が・・・

――ずるいです。私の方が好きなのに・・・

――本当に? でもあなたの健康を心配しているのよ。

――開けてしまったから食べなって。もう。


 床にお皿を置く音。(SE)


――ひどい! そんなの目の前に出されたら本能が。んにゃ~!


 猫缶を食べる音がしばらく続く。(SE)


――もう~。私のバカ~!


――ひどい人。私なんかより、あなたの事が心配なのに。


――なっ、なに撫でているんですか! ふにゃぁ。ごしゅじんさま~。しゅき。


――ん、そこは・・・喉は弱いのでしゅよ~


 ゴロゴロと喉の鳴る音。(SE)


――ん、もう、お返しです! 覚悟しなさいですよ、ご主人様~!


 足、胸、肩と伝い飛び乗る猫の足音。(体を叩く)

 喉を舐め返す音。(リップ音)

 首を動かし、身もだえする音。(SE)

 ドサッと尻もちをつく音。(SE)


――だっ、大丈夫ですか! ごめんなさい! ……よかった。


 頭をなでる音。(何かを擦る)


――うへへ(声が漏れる感じで)。 かわいい……、ですか?

――もう。あん。気持ちいいです。


 ゴロゴロと喉の鳴る音。(SE)

 キッチンタイマーが鳴る音。(SE)(ちょうど三分になるように前後を調整してください)


――あっ、ラーメン……できましたよ(ちょっと残念そうに)


 男が立ち上がり歩く音。(SE)

 イスを引く音。(SE)

 カップラーメンのフタを開ける音。(本物を使う)

 テーブルの上に猫が乗る足音。(体を叩く)


――はい。召し上がれ。


 ゆったりとした音楽が流れる。(ME。フリー素材可)

 ラーメンをすする音。(SE)


 にゃー、という猫の鳴き声。


――おいしい、ですか? 幸せそうに食べますね。

――ご主人様のその顔、好きですよ。

――でも、もっと栄養のあるもの食べて下さいね。

――ご主人様の健康が心配です。


――今日も帰りが遅かったし……。


――寂しかったんですよ。一人で留守番するの。


――またぁ。頭撫でればいいと思っているんでしょ。

――え? こうしてると落ち着くんですか?

――何かあったの?


――いいですよ。何でも聞きますから。


――え? それは大変でしたね。うん。


 顔を摺りつける音。(手でこする)


――ありがとう? うん。これくらいいくらでもしてあげますよ。


――君がいてよかった? 私も! あなたと一緒に入れて嬉しいです!


――いくらでも、触っていいですよ。

――頭でも、喉でも……む、胸でも。

――あっ、あん。気持ち……いいです。フニャー

――ご主人様も……あん。……そんなに私を優しくなでるのが好きなのでしゅか?

――気持ちいいんですか? 私もです。


――一緒に寝よう? い、いいですよ。

――歯磨きするから待ってて? 

――もう。せっかく気持ちよくなった所なのに。


 蛇口から水の流れる音。SE。

 シャカシャカという歯磨きの音。SE。


――じゃま? もう、すりすりしているだけですよ。

――だって、寂しいじゃないですか。


――すぐ終わるから? うん。待ってる。

――ちゃんと磨いたらいいことしてあげますね。


――私の口、猫缶くさいかな。

――うがい! うがいするね! 水下さい!


 器に水を入れる音。SE。

 床に器を置く音。SE。

 猫がぴちゃぴちゃ水を飲む音。リップ音。


――そんなに見ないで下さいよ。なんか恥ずかしいな。

――あなたのために綺麗にしているんですよ。


――もう。女心が分かってない。そんな事だとモテないですよ。

――え? 私がいればいい? えへへ。そうなの?


――もう、そんなこと言って。大好きですよ、ご主人様。


――急に抱き上げないで下さい。顔が近いですよ。

――え? 汗臭くないか、ですか? 平気ですよ。


 耳元でクンクンと匂いを嗅ぐ音。


――ご主人様の匂いがする。落ち着くよ~。ンにゃー。


 耳に頭を摺り寄せる音。手で音を作る。

 耳を舐める音。リップ音。

 猫が床に落ちる足音。SE。


――うわっ、くすぐったいからって投げ飛ばさなくても。

――ごめんごめん? 耳は弱い? もう。恥ずかしいの我慢してサービスしてあげたのに。


――耳がだめなら。どこか舐めて欲しい所あります?

――いいですよ。遠慮しないで言ってみて下さい。


――なに顔を赤くしているんですか? 変なの。

――ご主人様。遠慮しないでいいんですよ。

――どこを舐めたら喜ぶのかなぁ? 教えてください。


 慌てている足音。(SE)

 勢いよくユニットバスの戸を開ける音。(SE)


――え、シャワーを浴びる? そうですか? 臭いませんよ。

――頭冷やしたいから? そうですか。


――一緒に入らないか? なんてこと言うのですか!

――嫌です! 猫は水が苦手なんです。


――もう。笑わないで下さい。


――お風呂、一緒に入れたらいいね? もう。そんな風に言ったって駄目です!


 服を脱ぐ衣擦れの音。(SE)


――キャッ、服脱ぐときは扉閉めて下さいよ!


――えっ、私しかいないんだからいいだろう?

――ダメです、親しき中にも礼儀ありです。


――嫌いだとか、そんな事ではないんです。


――大好きですよ。もう。そういうことじゃないんだってば。


 戸の閉まる音。(SE)


――そうです。それでいいんです。


 シャワーの音。(SE)

 ニャーニャーという猫の鳴き声が扉越しに聞こえる。

 シャワーの音OFF。


 服を着る音。(SE)

 戸の開く音。(SE)


――きゃ、なんで上半身裸なんですか!

――暑いから? いいだろって・・・

――まあ・・・いいですけど


――もう寝ようか? って、裸でベッドに入るのですか⁉

――パジャマ着ないのですか?


――いいよ、君も裸みたいなもんだろ、って! 違います! もう


――笑わないで下さい。恥ずかしいな。


――直接君の体温を感じたいって・・もう。


――抱かせてって・・・いいですよ。そこまで言うなら。


――本当に・・・甘えん坊さんなんだから。


――会社で嫌な事があったの?

――寄り添ってあげることしかできないけど、いい?


――もう、ずるい。頭撫でるの好きなの?

――そう? いくらでもしていいよ。好きなだけ触って。


――ベッドに行くの? うん。分かった。


 ベッドがきしむ音。(SE)


――おいで? うん。


――ご主人様、温かい(耳元で)


――ご主人様、猫の愛情表現って知っています? こうするんですよ。


 鼻と鼻をすりすりする音。手で音を作る。


――こうやって鼻と鼻をスリスリするんですよ。もう一回しますね。


 鼻と鼻をすりすりする音。手で音を作る。


――え? 人間は口と口なんですか? そうですか。してみます?


――なんだか照れますね。へへ。


――大好きですよ、ご主人様。


 口を舐める音。(リップ音)


――気持ちいいですか? もう一度しますね。


 より濃厚に口を舐める音。(リップ音)


――気持ちいいですか? そう、よかった。


――あなたが舐めて欲しかったのって唇だったのですね。


――え? 違うの? 違うくない? どっちなんですか?


――もう、だいしゅきですよ。ごちゅじんにゃにゃ~。


 耳元でかすかな猫の寝息が聞こえる。(息)

 メインテーマが流れる。(ME)


   第一話 完


※ヒロインは猫です。猫のフリした女の子ではありません。

※性的な行為は一切しておりません。猫をモフっているだけです。




 

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