第2話
リナはいつもの休日を過ごしていた。洗濯をし、掃除をし…
「あ~今日は何をしようかなぁ~」
そんな時、電話が鳴った。
「ん?誰だ?」 分からない電話には出ないはずなのに、何故か出てしまった。
「突然の電話ごめんね。覚えてるかな?」
「誰ですか?」
「ユキだけど…河津…」
「河津ユキ…どちら様でしたっけ?」
「動物園の売店で一緒だったじゃん!」
それはリナの研修先だった。
「あー!先輩、お久しぶりです。やっと思い出しました。どうして私の番号知ってるんですか?」
「ごめんね!リナが仕事辞めたって聞いて心配になって山口に聞いたんだよ。」
「そうなんです。辞めて、上京したんですよ。今はペットショップで働いてます。」
「そっか~。頑張ってるんだな!良かった!」
そんなたわいない会話を数時間して、話を終えた。
(何か楽しかったなぁ~。まあ、だからどうってこともないけどね)
リナの日常は何も変わらなかった。
---
1ヶ月後、リナの休日。今日も彼は仕事だし、家事でもしてのんびりするかなぁと家事をやり始めると、また電話が…。
(あっ、先輩だ!)
「もしもし、先輩どうしたんですか?」
「何かリナと話したくて…」
(ん?何アピール?)
「あたしも、お休みで暇してました。」
また数時間話をした。
(あれ?何かスッキリしたかも)
その時はこれから始まる出来事は予想もしていなかった。
---
ある日、リナが実家に帰ることになった。せっかく帰るし地元の友達に連絡して思いっきり遊ぼうとした!…が、全滅!急だから仕方ないと思いながらも、先輩を誘ってみたら空いてた!
半分冗談だったけど、まあ1人よりはと先輩を誘って夕食へ…。
「先輩!お久しぶりです。」
「あ…」
「先輩、どうしたんですか?」
「いや、リナちゃん、綺麗になっててビックリしちゃったよ」
「またー!そんなこと言っても何も出ませんよ(笑)」
「アハハハ」
「とりあえずご飯行きましょう🎵」
二人は焼肉屋へ向かった。小さいお店へ入ると、二階の奥に通された。二人は鉄板を囲み、昔の話に花を咲かせた。笑いの絶えない時間はあっという間に過ぎていった。
「そろそろ出よっか!」
「そうですね。すっごく美味しかったですし、思いのほか楽しかったです。ありがとうございます。」
「思いのほかって何だよ!」
「だって久々に会ってるし、こんなに長く二人で話したことなかったので…」
「そうだな!会社じゃ仕事の話だけだったからな。」
「じゃあとりあえず車で送るから、車に向かおう。」
「へーい!」
二人は商店街を歩いた…。
(あれ?何かいい雰囲気なのか…(笑)さっさと撤収しよ~)
二人が車に着いた時、周りはすっかり誰も居なくなっていた。
「ねぇ、リナちゃん…ちょっと待ってて」
「ん?何ですか?」
何やら先輩が車のボンネットから何かを取り出している。リナは星空を見上げていた。
「お待たせ!リナちゃん、ちょっと早いけどクリスマスプレゼントあげる。」
「え?先輩、全く意味が分からないんですけど。私、彼がいるしもらえません。」
「知ってるよ。でも大したものじゃないから貰って欲しいんだよね。」
「なぜですか?」
「俺…リナちゃんのことが好きだったんだよ…」
(だった?過去形?)
「先輩、好きだったっていうのは告白ですか?それとも報告ですか?」
「両方だよ。」
「私には全く理解できませんけど。先輩、結婚してますよね?」
「だから両方なんだよ。」
「何ですか?その大人の事情みたいな言い回し!」
「ごめんね。でももう、抑えきれなくて…リナちゃんの顔見て、一緒に笑ってたら言ってしまったんだよ。困るよね!ビックリするよね。自分でも驚いてる。」
先輩の手が震えていた…。
(あたしはどうしよう…そりゃあ丁寧にお断りでしょ!…いや、こっそり付き合ってみる…?)
まじか?どーするあたし。彼と先輩…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます