引きこもりゲーマーな妹に「嫌々」言われながら癒されるっ♪

楽垣

トラック1:耳かきで癒される

1:引きこもりゲーマーな妹の挑戦状

 (※帰宅すると、いつものようにリビングからカチャカチャとゲームをする音が聞こえてくる)


 (※あなたはリビングの冷蔵庫へと向かう)


くそっ、この敵……せこい手ばっか使ってきて……くっ、このっ……!


私にそんな技を使うなんて、いい度胸してるね……。

そんなの、返り討ちにしてくれるわっ!


ここを……こうして……。

よし……決まった!

あとは必殺技を使えば……きた!


はい、やったぁ~~! 私の勝ちぃ~~!


ふっふっふ、私に勝とうだなんて、100万年早い!

さっさとポイントを寄こしなさいっ!


にへへ……これでレーティングもだいぶ上がってきた。

このゲームのプレイヤーもちょろいもんね。


(※妹は振り返ってこちらを見る)


……なに? さっきからそこに突っ立って。気が散るんだけど。

ほら、さっさと自分の部屋、すっこんじゃいなよ。鬱陶しい。


……え? 冷蔵庫のプリンがない?


はぁ、なんだ。そんなこと。

それなら、さっき食べちゃったから、もうないよ。


名前も書いてなかったし、食べちゃダメなんて一言も言ってなかったよね?


あ、そうだ。

冷蔵庫の前にいるんだったら、ついでにジュース持ってきてくんない?

ついでに氷も入れといて。よろしく~~。


……何?

そんな嫌そーな顔して。

別にそれくらいいでしょ?

ほら、早くジュースジュース……!


 (※妹が座っているソファに倒れ込む)


……って、うわ! い、いきなり何?


は? 学校が死ぬほど疲れた?


毎日頑張るのが超辛くて、すべてが嫌になってもう死にたい?


はぁ、何を言い出すかと思えば……、そういう話かぁ。

ってかさ、わかってると思うけど、それ、私に言う?


私、学校行ってないんだよ?

いわゆる“引きこもり”ってやつ。


お兄ちゃんが毎日頑張ってるのは認めるよ?

でも、それを私に言われてもねー。


ってかさ、死ぬほど辛いんだったら、行かなけれりゃいいだよ。私みたいに。


……そういうわけにもいかない?


ええ~? も~、わがままだなぁ。


はぁ……ま、お兄ちゃんの悩みなんてどうでもいーの。

ほら、冷蔵庫のジュース、早く取ってくんないかなぁ。


いま、高レート帯の猛者を相手に激闘を繰り広げたところだから、喉がカラッカラなんだよね~。


ほらぁ~、ぼけーっとしてないで、早く早くぅ~。

お兄ちゃんは黙って私の言うことを聞いてればいーの。


可愛い妹ちゃんがお願いしてるんだから、それくらいやってよ~。


(※少し頭にきたあなたは妹に反撃する)


……って、ちょっと、いきなり何するの!

や、やめろぉお~、ほっぺをぷにぷにするなぁ~~。


やめろ……やめて、わかった。わかったから!


はぁっ……はぁっ……じゃあ、勝負で決めよう。

私と対決して、負けた方が勝った方の言うことを聞くの。


何で対決するのかって……そんなの、これに決まってるじゃない。


私が毎日のようにやりこんでるコレ。

オンラインネット対戦がメインのゲームだし、公平性は間違いなし。

一対一で勝負をするには持ってこいでしょ。


お兄ちゃんもちょっとはやったことあるよね?

……うん、それなら話は早い。


じゃ、こうしよう。

私が負けたら、もうお兄ちゃんに酷いことを言わない。


ジュース取ってこ~いなんて、もう二度と言わないから。


その代わりに……もし私が勝ったら、お兄ちゃんには一生、私のパシリとして生きてもらうから!


お菓子とかジュースが欲しくなったら、いつでも買いに行って私に献上するの。

もちろん、代金はお兄ちゃんの財布からね。


え? 報酬とリスクが釣り合ってない?

それに、ゲームに負けただけで妹のパシリに人生を捧げるのは嫌?


あー、もう一々うるさいなぁ。


じゃあ、私が負けたら、お兄ちゃんの言うことを何でも聞いてあげる。


いい? どんなことでも、だよ?

もしも勝負に負けたら、私はお兄ちゃんのどんな鬼畜な命令にも従わないといけないの。

それなら、受ける価値のある勝負になるでしょ!


……何? その信用してません~って感じの目。


大丈夫、もちろん、約束は絶対に守る。

私にもプライドってもんがあるからね。

大好きなゲームに誓うから。


 (※心の声)


……ふふっ。ま、お兄ちゃんが勝った時のことなんて、どうでもいいの。

だって、私が負けるなんてこと、万が一にもあるわけないんだから。


毎日のようにゲームをやりこんでいる私と、あまりプレイをしていないお兄ちゃん。

結果は明白……どんなリスクがある提案をしても、なーんの心配もない。


……あはっ、お兄ちゃんの絶望した表情を見るのが楽しみだなぁ~。

まずはスーパーのお菓子を片っ端から買ってくるように命令しようかなw


 (※心の声おわり)


心の準備はできたかな?

それじゃ、いっちょ相手してやりますかぁ~。

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