意思決定が苦手なのは、優柔不断なわけじゃない

白鷺(楓賢)

本編

わたしは、意思決定が苦手です。これは、単に優柔不断だからというわけではありません。実際には、物事を決める際に、あまりにも多くの要素を深く考えすぎてしまうためです。選択肢がいくつもあると、その中でどれが最も良いのかを判断するために、あらゆる可能性を考慮してしまいます。その結果、決断するまでに非常に時間がかかってしまうのです。


例えば、日常のちょっとした選択でも、頭の中ではさまざまなシナリオを描いています。「この道を選んだらどうなるか」「別の選択をした場合はどうなるか」「もし後で後悔したらどうしよう」など、先のことまで考えを巡らせるため、なかなか一つの決断に至ることができません。こうした慎重さは、自分の性格の一部であり、特に仕事や人間関係において強く現れます。


そのため、わたしはリーダーシップを発揮して指示を出すような役割には向いていません。決断を下し、他人に指示を与える作業は、わたしにとっては大きなストレスになります。しかし、決して無力なわけではありません。むしろ、意思決定をする人が近くにいて、その人と共に行動したり、与えられた作業に集中して取り組むことは得意です。こうした役割では、わたしの持つ特性が活かされ、最善の結果を出すことができます。


わたしが意思決定に時間がかかる理由の一つとして、HSP(Highly Sensitive Person)の特性が関係していると感じています。HSPは、周囲の刺激に敏感で、些細なことでも深く考える傾向があります。そのため、何かを決める際には、多くの要素を考慮しなければならないと感じるのです。この慎重さが、時には「優柔不断」と誤解されることがありますが、実際には物事をしっかりと考えている結果なのです。


恋愛に関しても、同様に時間がかかります。何に対しても、一つの答えを出すのにじっくりと考える必要があるのです。だから、サポート役として他者を助けることは得意であっても、主導して物事を進めるのは、わたしには向いていないと感じます。これが、わたしの特性であり、個性だと理解しています。


わたしにとって、意思決定が苦手であることは、単なる弱点ではありません。これは、わたしが慎重であり、物事を深く考える性格だからこそ生まれる特性です。この個性を理解し、受け入れることで、自分らしい生き方を見つけることができると信じています。

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