見た目は地雷系、中身は癒し系な妹と送る夏休み

汐海有真(白木犀)

Chapter.1 おはよう編

(SE…主人公がリビングのドアを開け、閉める音)


(SE…凛々花りりかが主人公に近付いてくる足音)


「お兄ちゃん、おはよう! このままずっと起きてこないんじゃないかって、リリは心配だったよ〜……ようやく、お兄ちゃんの顔が見れて嬉しいな! えへへ〜」(主人公にぎゅっと抱きつきながら)


「……え、大袈裟? そんなことないよ! ほら、そこにある時計を見てみるのです!」(身体を少し離して、時計を指差す)


「ね、もうお昼の十二時なんだよ? 深夜零時に寝ていたとしても、十二時間眠ってる計算になるね〜……逆にそんなに沢山眠れるのは、才能かもしれないけど」(演技依頼…最後はくすっと笑う感じで)


「えっ、ね、寝たの深夜の四時なの……!? お兄ちゃん、それはもう、深夜じゃなくて朝という説もあるよ〜!? そんなに遅くまで何してたの……?」


「大学の、前期最後の期末レポート……なるほど! 間に合った? ……うん、それならよかった! 頑張ったお兄ちゃんに、リリがいいこいいこしてあげましょう」


(SE…凛々花が主人公の頭を撫でる音 次の台詞中)


「よしよーし、よく頑張りました! お兄ちゃんはとってもえらい! いいこ、いいこ〜」


「それで、前期最後のレポートを出し終えたということは、もしかして今日から夏休み?」


「やっぱりそうなんだ〜! ご存知だと思いますが、リリも先週から夏休みなのです! お兄ちゃんと夏休みおそろい! えへへ、嬉しいな〜」


「お兄ちゃんは今日、何か用事ある? ふむふむ、特になし、と。実はね、リリも今日は一日暇なんだ〜! 一日暇もおそろい〜」


「そしたら、どうですか、今日はリリと一緒に過ごす日にしませんか!」


「……やった〜! 流石お兄ちゃん、ばっちりな選択!」


「それで、何するといいかな? うーん……んー……はっ! 待って、リリ、天才的なアイデアを思い付いてしまったかもしれない! ふっふっふ、聞いて驚かないでね?」


「ではでは、発表しましょう……今日は、『リリがお兄ちゃんに色んな癒しを提供する日』なんてどうでしょうか〜! レポートで疲れ切ったお兄ちゃんにぴったり!」


「……ちゅ、抽象的!? まあ、確かにそれはそうだけど……でも、その分、面白さもあると思うの! ほら、次に何が起こるかわからないドキドキ感とか! 例えるなら、お化け屋敷みたいな……まあリリ、お化け屋敷は苦手なんだけど……」(演技依頼…最後の方は小さな声で)


「おっ、賛成? それでこそお兄ちゃん! ふふっ、どんな癒しを提供しようかな? リリの腕の見せ所ですね〜」


「そしたら、お兄ちゃんは一旦自分の部屋に戻っててくれるかな? 実はね、もう最初の癒しは思い付いてるんだ〜……準備しておくから、お楽しみに!」


(SE…主人公がリビングのドアを開ける音)


「あっ……ちょ、ちょっと待って、お兄ちゃん!」


「その、一つ聞きたいことがあったんだ……リ、リリの今日の服装について! 素直に、率直に、正直に、どう思うかを教えてほしいの!」


「……似合ってて、可愛い?」


「ほ、ほんとに? 変だったりしない……? ……全く変じゃない?」


「……よかったあ」(演技依頼…心から安堵している感じで)


「……リリもね、実はそう思うの! ピンクと黒の組み合わせが派手で可愛いし、チョーカーもクールで大人っぽいし、リボンもどーんとインパクトあって、すっごく可愛いと思うんだよね〜……えへへ」


「……全面的同意? ……ふふっ、ありがと、お兄ちゃん!」(主人公に再びぎゅっと抱きつく)


「それじゃあ、今度こそ、お部屋にいってらっしゃい! 準備ができたら呼びに行くから、まったり待っててね〜」


(SE…主人公がリビングのドアを閉める音)

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