君がいない

酒に舌鼓を打ちつつ、縁側で月見を嗜む。贅沢な、一時だと思う。だが、何故だろう。ぽっかりと心が欠けている。

「私が、いないからじゃない?」

ふと、月明かりの下に君が立っているような気がした。戯けて、茶化すような笑顔で……まあ、そんな訳ないけど。

今宵の月は、中途半端に欠けている。

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