第3章 そうだ 亜人国家、行こう。
33話 そうだ 亜人国家、行こう。
寿司、刺身盛り合わせ、なめろう、などなど思いつく限り作りまくって開いた食事会。皆、魚介の美味しさの虜になったようだ。
子供たちはサハギンのトロに大ハマり。ちなみに俺と奏も。
サハギン、人魚とは違い全身が魚のまま人型になってるタイプだからビジュアル的に俺はちょっと引いてたんだけど、料理として出す以上はと本格的に調理する前に味見で食べてみたらビックリ。まるでマグロやサーモンだった。というか、サハギン(マグロ)やサハギン(サーモン)みたいな感じで個体によって全然違った。見た目は全部統一で鱗が水色で赤目の魚人、捌いて切り身にするとこれまた水色なんだけどね。
で、クロはと言うとソードフィッシュウェーブの小魚で作ったなめろうや、スキュラの酢漬けを肴にひたすら鬼殺しを飲んでいた。まるっきり呑んだくれである。そのうち焼き鳥と枝豆も要求してくるかもしれない。
ちなみにセーラはなんと、キレイな魔物さん達と一緒に血抜きしただけのギャングフィッシュを丸齧りしていた。見た目がまるっきりウツボだったから料理として提供する気はなかったんだけど、セーラが欲しいというから渡したのだ。血抜きもしなくて良かったとか言われたけど、それは流石に無理な相談だ。
ウツボは骨が多過ぎてまともに食えないイメージだったから、見た目がまんまなギャングフィッシュも同じかと思ってたが……違うのだろうか。あいつらめちゃめちゃ美味そうに食ってるし、俺も食ってみれば良かったかもな。……でも、セーラの奴血抜きもしなくて良いって言ってたってことは、元々血塗れになりながら食うつもりだったってことになるよな? ん~、流石は野生の住人ってとこだな。俺は普通に引くけど。
翌日になって、酔いが醒めたクロにドワーフのことを聞いてみた。
するとこう返ってきた。
『あん? ドワーフに会いに行くんか? あぁそれやったら、海越えた先やで。亜人の国が遥か西方の別大陸にあるんや。前に言うた
あいつの辛い酒好きはともかくとして、彼らが住んでいる場所は分かった。
亜人の国、か。どんな種族が居るんだろうなぁ……ちょっと、いや、かなり楽しみだ。その為にもダンジョンの強化をしなくてはな。
海を越えるとなれば、ガッツリとした旅行になる。眷属の皆は全員連れて行きたい。これで北方にあったなら、領地内転移を使って一瞬で海を越えれるんだけど……まぁ、現実とはそう都合よくは行かないもんだ。セーラの力で海を安全に越えられると分かっているだけ、良しとしよう。
「そんな訳で、相棒よ。聞きたいことがある」
「やぁマスター君、久しぶりだね。魔物融合について聞きたいんだろ? あとはコアのランクアップについて、か」
なんだかんだ、結構久しぶりに相棒と会う。相棒は普段コアの内部に籠っていて表面化しない。俺から呼び出した時や、
「はは、当然だけど見破られてるか。そう。その通りだよ相棒。教えてくれないか?」
「大体理解はしてるんだろう? ランクアップについても、知っている筈だぜ? 今更僕に何をしろって言うんだい? マスター君の心には、既に解がある。僕がわざわざ説明する必要はないように思えるけどね」
「いいから、相棒の口から聞きたいんだよ。より理解を深めるためには耳から取り入れるべきだろう? 相棒の本質は、無機質な
「ふぅん……そんなものかい。僕は情報で判断している。だから心の機微に関しては疎いんだ。悪いねマスター君」
「いいさ。ほら、聞かせてくれよ」
それから俺は相棒の口から改めて魔物融合の概要、ランクアップの仕組みを聞いた。まず魔物融合について簡単にまとめると、
1…指定した魔物同士を融合させ新たな一体を生み出す。なお、融合した魔物は消滅してしまう
2…生み出した新たな一体の種族情報は
3…親となる魔物が意思なきPOPモンスター同士でも、生み出した新たな一体には魂が宿る
4…どんな種族が生まれるかは実際に融合させるまで分からない
この4点となる。
そう。魔物融合で生み出した子供には、魂が宿るのだ。親がPOPモンスター同士であったとしても。遊び半分でやってはならない。将来出来る奏やクロとの子供を育てる時の予行演習のつもりで、真剣にやるべきだな。うん。
そして次にランクアップについてだ。領地に関しては、既に3エリア以上を得ているので問題ない。後は眷属の人数だけだ。
長期旅行となるだろうから、ランクアップさせてダンジョンの守備を更に強化したいんだけど……ん~む。どうしたものか。
ちなみにキレイな魔物さん達は俺の眷属にはならないっていうか、なられても困る。あいつら心が綺麗すぎて戦えないし、そんなことしたら収入が減る。眷属じゃないままダンジョン内で暮らしてるから、定期的にDPを獲得出来るようになっているのだ。
「よし、魔物融合やってみよう」
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