不老不死の俺と人喰いの彼女
いわし
死ね、化け物
深い闇に包まれた獣道を、つい最近ホームセンターで購入したライトで照らしながら進む。
微かだが、鉄のような臭いが鼻を刺激する。
私が、人生を賭けてまで探し続けたアイツがついに見つかるかもしれない。
そう考えるとつい足早になり、出っ張った木の根につまずく。体勢を崩すが、そんなことでいちいち止まっている暇はない。
足首が痛むが、私はさらにスピードを上げ、奥へ奥へと進んでいく。
足場の悪い獣道を、ひたすらに歩き続けた。進むにつれて鉄のような臭いが濃くなっていく。
もう少しだ。もう少しでアイツが見つかる。
その瞬間、木々が途切れ、月の光が差し込んだ空間に飛び出した。
無心で歩き続けたため気づかず、思わず目を見張る。
一瞬驚いたが、平常心に切り替え前を見つめる。
その瞬間私の目に飛び込んできたのは、人の死体をむさぼる少女らしきものの姿だった。
薄い笑みがこぼれる。ようやくだ。ようやくアイツに出会うことができた。
ポケットから小型の銃を取り出し、その人間のような化け物に向けた。
するとその化け物はこちらに振り向き、普通の生き物のそれとは思えないようなスピードで接近してくる。だが、攻撃を受ける直前まで、その化け物に標準を定め、弾を放つ。その次の瞬間、その化け物のものと思われる血液と、わずかなうめき声が聞こえた。そして自分の腹に強烈な痛みが奔流し、何のリアクションも取れないまま体が宙に浮かび、その勢いのまま後ろの木の幹に衝突した。
背中と腹の痛みで声が出ない。意識が落ちかける。だが最後の力を振り絞り、その化け物へ球をもう一発打ち込む。その瞬間、私の意識は完全に途切れた。
最後に瞳に移ったのは、血を流しながら死体を運んで逃げる化け物の後ろ姿だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます