なぞる。
恋しいと、恋しいと、どれだけ思ったか知れない。
愛しいと、愛しいと、小さくなったあなたの抜け殻をなぞる。
あなたの生きていた日々を覚えている。
あなたの声がまだ聞こえている。
何も消えていない。
まだずっとここにある。
さみしいと、くるしいと、どうして、どうして、どうしてなのと、
くり返す時間は、諦めとともに、受けとめとともに、
川の流れに余分な土と砂を奪われて、
今、砂金が一粒。
あなたの笑顔、一粒。
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