第27話 ソフィーは強い
太郎の紹介を受けて、ソフィーは(太郎以上になめらかな)日本語で話し始めた。
「ソフィーです」
「パリから来ました」
「今、24歳です」(プルンと胸が揺れた)
日本人女子の目が「まあ、なんてきれいな人」と蕩けるのを確認して、ソフィーは続けた。
「今回の来日の目的は」
「フランス大使館勤務は、表向きにすぎません」
「太郎と生活して、日本文化を学ぶ」
「それも当たり前ですので」
ソフィ―は日本人女子全員をじっと見て、花のような笑顔。
「太郎のお嫁さんも、選んであげたいなあと」
「私も家族になるのですから、長い付き合いになるのですから」
(日本人女子全員が、全員自分の胸を抑えた、顏を赤くする人も多い)
ソフィ―の話は、続いた。
「もし・・・適当な人がいない場合は」
(日本人女子全員の顏に困惑が浮かんだ)
ソフィ―はにっこりと、太郎と腕を組んだ。
「私が、太郎のお嫁さんになりますので、よろしくね」
(太郎は、キョトンと目を丸くした)
(日本人女子全員は、渋い顔になった)
「え・・・マジ?」
「太郎さん、国際結婚?」
「日本からいなくなるの?」
「ブロンド巨乳好きなの?」
「日本人女性として、嘆かわしい」
「日本人は日本食がいいの」
「焦る・・・マジに」
日本人女性がざわつく中、太郎がようやく口を開いた。
「ソフィー、大使館勤務はいつから?」
ソフィ―は、太郎の手を握った。
「明日からなの」
「それで、今日、太郎、予定ある?」
「大使が逢いたいって」
太郎は古書店を見回した。
「ここの店番だけ」
「閉めてもいいよ」
(日本人女子全員の顔が蒼くなった)
(でも、フランス大使の希望は、なかなか邪魔がしにくい)
ソフィ―は日本人女子全員の顏を見て、フフンと笑う。
「太郎、モテモテね」
「みんな、太郎に、ここに、いてもらいたいみたい」
そんな微妙な攻防戦があったが、太郎が案を出した。
「久我マンション群の料亭で、午後7時でいいかな」
「教えてもらいたいこともあるから」
ソフィ―は、にっこりと笑い、フランス大使に連絡を取っている。
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