幼馴染が美少女ではなく美青年に育っていたうえ溺愛してくるんですが?!

青によし

プロローグ


 親愛なるリーズへ


 聖フロランス学園の卒業おめでとう。風の噂で主席だと聞きましたが本当ですか。恥ずかしがらずに手紙にも書いてくれたら良かったのに。リーズがこの三年間努力した成果ですね。頭が下がります。


 リーズは以前から、卒業したら実家のブランザ商会を手伝うと言っていましたが、まさか新しい支店を任されるとは驚きです。きっと忙しくなり、ますます文通をするのも大変になるでしょう。それは少し寂しいですが、リーズに負担を掛けたいわけではありません。


 正直に打ち明けると、さすがに森に一人きりの暮らしは飽きてきました。久しぶりにリーズに会いたいのもあり、思い切って森から出ようと思っています。

 リーズさえよければ、店を手伝いたいと思っているのですがどうでしょう? 住む場所さえあれば、賃金はいりません。こんな安上がりな労働力はめったにありませんよ。おすすめです。


 それでは、今回はこのくらいで。まだまだ寒い日が続きます。体調には気をつけて。


 ジルより



***


 大好きなジルへ


 卒業祝いの花束ありがとう。時間が経ってもみずみずしくて驚いたよ。あれも新しい魔法薬の効能なのかな? ジルは本当に魔法薬の天才だね。だから森に引きこもっているのはずっともったいないと思っていたんだ。もちろん、手伝いは大歓迎です。出会ったとき以来だから十二年ぶりかな? きっと綺麗になってるんだろうな。


 私は店の上に住むからジルも一緒に住もう。下見に行ったけれど、結構広い部屋だったから二人でも大丈夫だと思う。もう一台ベッドを用意しとくね。あと、ちゃんと賃金は払います。お仕事はきっちり線引きしないとね。


 それにしてもジルと一緒に働けるなんて、夢みたい。新しい店を任されて不安もあったけれど、ジルがいてくれたら心強いです。

 それでは、詳細はまた改めて連絡します。再会出来るのを楽しみにしています。


 新米店主のリーズより



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