偶然助けた女の子がヤンデレで付きまとわれる事になったけど、ふわふわ天然の先輩にヨシヨシされながらも、引きこもりの妹を人気Vtuberに押し上げるハーレムラブコメ。
第1話 お嬢様との出会い。そして、妹の尻を見る。
偶然助けた女の子がヤンデレで付きまとわれる事になったけど、ふわふわ天然の先輩にヨシヨシされながらも、引きこもりの妹を人気Vtuberに押し上げるハーレムラブコメ。
リンスinハンドソープ
第1話 お嬢様との出会い。そして、妹の尻を見る。
とある春の日。
俺『
「この景色も見慣れたな。そうそう、この曲がり角に毎回犬のフン落ちてるんだよなぁ」
両親といろいろあった結果、高校進学と同時に妹と二人暮らしになった俺は、何があっても彼女を守れるようにする為に体力作りを始めた。
そして、それから一年が経過して俺が高校二年生になった現在は、目の前に広がる街路樹や住宅街の景色も、すでに日常のものになっている。
しかし、そんな日常をすごしていた中、少し遠くの裏道の方からいつもとは違う非日常な、聞き覚えのない声が聞こえてきた。
「……ど、どなたですか?」
「悪いが、一緒に来てもらおうか」
「ち、近づかないで下さい……!」
裏道から聞こえてくる声から察するに、男と女の会話だろうか。
この周辺は元々人通りも少なく、かつ時間帯も朝早くという事もあり、普段ならあまり人の声が聞こえてくる事はない。
「……様子だけ見に行ってみるか」
そんな声を聞いて不審に思った俺は、声のする方へ向かってみる事にした。
そして、声の元に辿り着くとそこには、ピンク色のヘアピンをつけて、シンプルなデザインのセーラー服であるお嬢様高の制服と膝下まである白ソックスを身につけている、黒髪ロングの女の子がいた。
しかも、その子は一目で分かるくらいに、飛び抜けた『美少女』であった。
白く傷のない肌。美術品のように整った小さな顔。背丈は平均より少しだけ高そうであり、そのせいか痩せて見える。だというのに胸や尻には制服越しでもわかるような明確な丸みがあり、不健康さはまったく感じさせない。
そんな風に、目に見える全てが完璧で、見た目だけでもその育ちの良さが伝わってくる程だった。
(すごい美少女だな……って、それだけじゃないか)
そんな美少女に相対しているのは、黒い服を着て目と口だけ出ている覆面をつけた、これまたいかにもな不審者。
そして、不審者は懐からナイフを取り出して彼女に突きつけると、言葉を続けた。
「車に乗れ」
「だ、誰か……」
「おい、声を出すな。黙って乗れ」
その光景を見て俺は、一瞬、体が固まった。
これは、詳しい事情を知らない部外者の俺でも緊急事態であると理解できるくらいに異常なものだ。
(警察に通報……いや、それじゃ間に合わない……! 彼女が連れ去られてしまう!)
そう判断して俺は、咄嗟に二人の間に割って入った。
「……! なんだテメェは!?」
そうして俺は、驚きながらも俺の方へナイフを向け直した男を尻目に、間髪入れず彼女に伝える。
「早く逃げて!」
「で、ですがっ! それでは貴方が!」
「もう警察呼んでるので大丈夫です、早く!」
「ご、ごめんなさい……!」
そうして彼女は、俺の言った通りに走っていった。
そして、それを見た覆面の男も少しだけ考えている様子を見せた後に一言。
「……くそっ!」
とだけ言って、あわてて運転席に乗っていた人物に話しかけた後、その人と若干揉めた様子を見せながらも結局、彼らは車を走らせて逃げていった。
その結果として、この場には俺一人だけが残る事になった。
「……セーフ!!!」
勿論、警察を呼ぶ時間はなかったので通報はしてない。犯人が嘘を信じてくれて本当によかった。
しかも、生まれて初めて刃物を向けられてしまった。恐怖で漏らさなかった自分を褒めてやろう、えらいぞ凪草晴。
「というか、まだ全然走ってないのにすごい冷や汗かいたな……一応警察に連絡するだけして、今日は帰るか」
そうして俺は、犯人の乗った車のナンバーを忘れないうちに警察に電話をしようとスマホをとりだした。
するとその時、聞き覚えのある大きな音がこちらに近づいてくるのが聞こえて来た。
「ん? まだ通報してないのに、サイレンの音が近づいてくる……?」
そして、その音に気づいてすぐに、俺の元へとパトカーがやって来た。
その後、その車から先程逃したはずの女の子が降りて来て、焦ったような表情をしながらこちらに駆け寄ってくる。
「あ、あの! ご無事ですか!?」
「えっと、先ほどの方ですよね、どうしてここに?」
「先ほど貴方に助けていただいた後に私からも警察に通報したところ、近くを見回りをしている警官の方がいるという事で、彼らを道案内する為に私も車に同乗させていただいたのです……それよりも、お怪我はありませんか?」
「はい。あの後、不審者もすぐに居なくなったので、問題なかったですよ」
そんな会話をすると、彼女の表情は安心したようなものに変化した。
どうやら、彼女の気持ちが少しだけ落ち着いたようだ。
そうして会話を終えた後、俺が二人組の警官に不審者が逃げて行った方向を伝えると彼らは俺に感謝を伝えた後で、すぐにパトカーに戻り犯人を追いかけていった。
(……被害者といえ、こんなに簡単に解放されてもいいのか? 事情聴取とか、時間かかるのかなって思ってたけど)
そんな事を思った俺は、その事を彼女に伝える。
「ところでこれ、このまま帰っても良いんですかね? ここで待ってた方が良いんでしょうか?」
「……私が警察の方に連絡先を伝えていますから、問題ないと思いますよ。ですが一応、私たちも連絡先を交換しておきませんか? もし警察から連絡が来たらお伝えする事ができますし」
「確かにそうですね。一応、交換しておきましょうか」
そうして図らずも、美少女と連絡先を交換する事になった。
そして名前の欄を確認すると、そこには『
(なんにせよ、彼女が無事でよかった)
なんて考えていると、彼女が口を開いた。
「ごめんなさい、今は急いでいるのでこれで失礼させていただきますが、必ずお礼はさせていただきます。後ほど改めて連絡をさせていただきますね」
「お礼なんて気にしなくていいですよ。貴女が無事ならそれで充分ですから」
「いえ、そのお言葉は嬉しいのですが、そうはいきません。それではまた、必ず、お会いしましょうね」
彼女がそう言った時、丁度良いタイミングで、一目で高級車だと判断できる黒塗りの長い車がやって来た。
そして、それを見た彼女はこちらに頭を深々と下げた後、その車に乗って去っていった。
「……帰るか」
そうして俺は、人助けができた事になんとなく嬉しい気持ちになりながらも、帰宅する事にした。
〜自宅〜
「ただいまー」
そう言いながら俺が玄関の扉を開けると、そこには十六歳という年齢にしては幼い体つきの、目が隠れそうになっているくらいに前髪を伸ばしている女の子……もとい俺の妹が立っていた。
「あっ……」
そう呟いた彼女は、俺と目が合うと非常に気まずそうな表情をしながら、その少し明るめの黒髪を揺らしながら、二階へと向かう階段と俺を交互に見ながら戸惑っていた。
それは彼女が今、薄いタオル一枚のみを体に巻いただけの姿でいるにも関わらず、俺が帰って来てしまったのが原因だろう。
そして、それを見た俺は急いで玄関の扉を閉めた後、彼女に話しかける。
「……なんちゅう格好で歩いてんの」
「いやー、昨日の夜にお風呂入れなかったから今入ったんだけど、つい着替えを部屋に忘れちゃって……」
「昨日は深夜まで配信してたのか?」
「うん、なんか楽しくなって来ちゃってさ……まぁ、相変わらず同接は少ないんだけどね」
そう、俺の妹『
彼女の活動を支えるのもまた、俺の日常だ。
そして、そんな彼女は胸の辺りのタオルを両手できゅっと引き寄せた後で、再び俺に話しかけて来た。
「ところで、その……流石にこの格好で喋るの気まずいから、続きは服着てからでもいい?」
「そりゃそうだ、呼び止めてすまん」
「あはは、こっちこそごめんね。服着たらすぐ戻るから」
そう言って結衣は、二階への階段を登って行く。
そして、そんな彼女を見つめていると、彼女のタオルが足の動きに連動してふわふわと動くことによって、彼女のふとももどころか尻までもがチラチラと見えてしまっている事に気がついた。
すると、彼女はその事に気づいたのか、尻の部分にあたる布をさっと引っ張っりながら不満げな表情を浮かべ、こちらを向きながら一言。
「……お兄、えっち」
とだけ言って、結衣は改めて階段を登って部屋へと向かっていった。
つい結衣のタオル一枚姿に驚いてぼんやりしていたら、怒られてしまった。
(……朝食の準備するか)
そうして俺は手洗いとうがいを済ませた後、朝食の準備を始めた。
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