なんか異世界きたけど、だるいから壊します。拳で。
@takyun
第1話 なんか知らない場所にいる。
なんか知らない場所にいる。
少なくとも見たことはないし、なぜこんなところにいるのかわからない。
意識が覚醒してから一時間はたつが、誰もいないから、きっと捨てられた場所なのだろう。なぜ一時間も待っていたのかって?目覚めたときに座っていた玉座が心地よすぎたからである。なんかめっちゃ柔らかかった。
見たところ城のようだ。おそらくは戦争があったのだろう、ところどころに破壊痕がある。鎧とか宝石とかあるかな、と思ったが、一つもなかった。
そろそろトイレに行きたい、と思っていたが、見当たらない。困ったので城の外に出てみようと思った。流石に城の廊下とかでするわけにはいかない。
城の外に出てみると、日が出ていた。しかし2つだった。どうやら私が落ちてたのは異世界だったらしい。
とりあえず城から出ると、城下町があった。やはり人はいなかったし、何ならいくつか建物だったものが転がっていた。さっきの城内もそうだが、死体は一つもなかった。血の跡はべったりだったが。
とある店だった瓦礫が、ふと目に止まった。その瓦礫に目が釘付けになった。どうしてか怖気が走り、目を離したら死ぬ、というなにかがあった。
しばらくして、その怖気はおさまった。体感にして10分くらいだろう。それでもやはり得体のしれないなにかがあり、他とは違う、という感覚が残っていた。地面にバツ印をつけて、そこを去った。
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