第10話
翌朝目が覚めてスマホを確認すると夜中に彼女からの返信が届いていた。
『どういたしまして。今回も色々付き合ってくれてありがとう。また、病院の日付教えてね。』
返信を見てから、次の通院予定日を送る。
『おはよう。次の予定は連休明けになるかな。』
それを送信してから、学校へ行くための準備をする。
気分は怠いけど昨日休んでいる以上、流石に学校に行かない訳には行かなかった。
学校への道すがらスマホに彼女からの返信が届く。
『次の病院は日程が合わないね。残念だけど、また次の時にね。』
彼女から伝えられた病院の日程は、少し間隔が早くなっていた。
『了解。そういえば君はゴールデンウィークどうするの?』
メールを送信してから僕は、少し後悔をした。
自分から連休の予定を尋ねるなんてらしくもない事をしてしまった。
そう思ってしまってから、馴れ馴れしくし過ぎて引かれたりしないかなとか急に不安になる。
メールを送ってから少し時間が経過するだけで、いつになく気になってしまう。
SNSと違って相手に一度送信すると取り消せないので、こういう時はかなり不便に感じてしまう。
返信が来ない。そう思ってしまったらもう後の祭りだった。
翌朝目が覚めてスマホを確認すると夜中に彼女からの返信が届いていた。
『どういたしまして。今回も色々付き合ってくれてありがとう。また、病院の日付教えてね。』
返信を見てから、次の通院予定日を送る。
『おはよう。次の予定は連休明けになるかな。』
それを送信してから、学校へ行くための準備をする。
気分は怠いけど昨日休んでいる以上、流石に学校に行かない訳には行かなかった。
学校への道すがらスマホに彼女からの返信が届く。
『次の病院は日程が合わないね。残念だけど、また次の時にね。』
彼女から伝えられた病院の日程は、少し間隔が早くなっていた。
『了解。そういえば君はゴールデンウィークどうするの?』
メールを送信してから僕は、少し後悔をした。
自分から連休の予定を尋ねるなんてらしくもない事をしてしまった。
そう思ってしまってから、馴れ馴れしくし過ぎて引かれたりしないかなとか急に不安になる。
メールを送ってから少し時間が経過するだけで、いつになく気になってしまう。
SNSと違って相手に一度送信すると取り消せないので、こういう時はかなり不便に感じてしまう。
返信が来ない。そう思ってしまったらもう後の祭りだった。
さっきの送信したメールを取り消ししたい……。
送信した時よりもさらに大きな後悔が襲って来る。
ここは、様子見で何か当たり障りない感じで、誤送を装って送信するべきだろうか。
そう考えてから慎重にメールの文面を考えて入力と削除を繰り返しているうちに、頭が冷えて少しだけ冷静になる。
残念ながら誤送を装うにも誤送をする相手がいない。それにSNSが主流になってわざわざメールアドレスを交換する人は少数派になっている。
誤送しようにもメールの使用者人口は少なすぎて、友達の少ない僕は言うに及ばず、彼女ですらメールの誤送は難しいのではないだろうか。
恐らく彼女も僕に誤送信をする友達が居ない事に気付くかもしれない。
万事休す。こちらから打てる手は何も残されてはいなかった。
そんな事を考えて一人で勝手に追い込まれてうちに、彼女からの返信が届いた。
『ゴールデンウィークは検査入院予定なの。学校の友達に病気がバレないように入院が必要な事は出来る限り連休とか長期休暇にする事にしているから。もしかして何か誘ってくれるつもりだった?』
メールを確認すると、さっきまでの心配は完全に杞憂で僕の考え過ぎだとわかりホッとする。
ただ最後の一文に関しては、どう返すべきか迷ってしまう。
結局迷った末に『夏休みに花火でも見に行かない?』
そう送ったのは、学校の校門を通り過ぎてからだった。
ポケットの中のスマホが振動して、画面を見るとさっきのメールの返事だった。
『かなり先だけど大丈夫だよ、それにしても夏休みって気が早すぎだよ。後で夏休みの入院の日程調べてメールするね。』
指摘されてから夏休みまで数ヶ月ある事に気付いたけど、既に色々遅かった。
この日はずっと上の空で、授業は全く頭に入らず放課後まで過ごした。
夜に彼女から送られてきた入院のスケジュールを確認すると、八月前半から中盤まで入院で埋まっている。
調べてみると八月後半だと岡山県内の花火は終わっていた。
少し遠出になるけど隣の県の広島まで行く事にする方が良さそうだった。
色々調べて準備をしていたらあっという間に夏休みが迫っていた。
終業式の後放課後の図書室で、僕らは久しぶりに病院以外で一緒に居た。
明日から夏休みという事もあって、浮かれている生徒は帰ってしまって既に辺りには誰も残って居ない。
僕は、彼女を花火に誘うのにどう切り出すべきか迷っていた。
辺りに人は見当たらないけれど、あまり長居していると司書の先生が戸締りに戻って来そうだ。
僕は散々悩んだ結果、無駄な小細工はせず単刀直入に伝える事にする。
「夏休みに小旅行で一緒に、花火を見に行かない?」
僕が羞恥を堪えて誘うと、彼女は笑いを堪えながら了承してくれた。
僕から誘って来た事が余程面白かったらしい。
「ひどいな。そんなに笑わなくても良いじゃないか」
「だって篁君告白しそうなくらい真剣な顔で言ってくるから」
帰り道を一緒に歩く彼女は、駅前で別れるまでずっと楽しそうに笑っていた。
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