幼馴染の美容師見習いとの密室空間

和泉ユウキ

第1話 いらっしゃいませ~


※ASMR形式です。美容師見習いの一人語りで進みます。

 口調はのんびりおっとりしたイメージです。






(美容院の扉が開く音)

(室内には女性一人。レジカウンターで出迎えてくれる)


「いらっしゃいませ~」


(こつこつと足音が近付いてくる)

「こちらは初めてですか?」


「ありがとうございます。ご予約はされていらっしゃいますか?」


「いえ、ご予約はされていなくても大丈夫ですよ~。では、お荷物お預かり致しますね~」


「こちら、ロッカーのカギとなっております。

 どうぞ、おかけになってお待ちくださいませ~」


(がたっと椅子に座る音)

(少し間を置いてから、ぱらぱらっと、何度か雑誌をめくる音が響く)


「……ふう」


「……どうかしら~。私、うまくできてたかしら~」


「まあ、本当? ありがとう。

 まだ見習いだから、接客はともかく、本物のお客さん相手にはカットの練習ができなくて~」


「休日の夕方なら、お店の一部を使ってもいいって店長から許可をもらったの~。

 実験だ……モデルになってくれる人がいるなら、やってみるといいって、ようやく言ってくれたのよ~」


「え? まさか~、私は言っていないわよ~。ただ、店長がね~。

 ……実験台っていうのは本当だから~」


「仕方がないって……優しいわね~。

 でも、本当にいいの~? 私、変な風に切っちゃうかもしれないわよ~」


「……え? 今更? 昔から、変にされていた?

 ひどいわ~。でも、それだけ正直に言ってくれる人じゃないと、練習にならないから~」


「あなたが良いのなら、甘えちゃうわね~。

 今日一日、よろしくお願いね~」


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