学校という場所

学校という場所にどう思うのかは、やはりなにも思わないのだ。思えないのだ。

別に学校という場所が嫌いなわけでないし、学校に行きたくないも感じたこともない。


家にいるよりは、学校にいるときの方が時間が流れるのが速いから、私はそういう意味で、この場所が好きだ。


だが、その分の窮屈さは嫌いなのだ。人と密な場所に閉じ込められるのが私は嫌いなのだ。30人と同じ空間を共有するのが私はすごく嫌なのだ。人間嫌いというわけではなく、自分の空気を汚されるのが我慢ならない。この場所を卒業してしまえば、もう会うことのない人間が何人いるのだろう。多分、1,2人以外もうほとんど会うことはない。


だが、こうも考える。この30人とずっと関わりを持ち、この30人以外とのコミュニケーションを一切取らず、生きていくことができれば、それは幸せなのではないかと。新しいことを拒絶し、しきたりを重んじる。ただそんな生き方には、限度があるし私の今のクラスメイトと仲が良いかと言われれば、そんなことはないし、私自身、この場所が好きでも、嫌いでもないのだ。この場所以外の生き方もしてみたいと幼い私は思考していた。

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