4 工事現場の中華包丁


打ち合わせの無限回廊

日差しの中に映る影

コンクリートの中で躍る光

中華包丁が響く響く響く


破砕の中、重機の唸り

その音に交わる切削の痕

鋼の刃が、空間の裂け目を穿つ

寸刻の美学が彷徨い踊る


鋼の戦士たち、工具の王国

素手で迎え撃つのは、刃の精霊

汗と油の舞台で、中華包丁は

大地の叫びに応える器


視界が歪む、高層の架け橋

その下で煮込まれる、時間の具

あらゆる煩悩が粉々に砕け

中華包丁が築くのは、無の地平


雑然とした材料たちが

鋭く、時折無慈悲に

指先で触れる、反響する感触

未来のために、今が切り裂かれる


空中を飛ぶ、掘削の煙

夢中で追うは、刃先の微笑み

中華包丁が創るは、幻想の形

工事現場の幽玄、永遠の謎


高鳴るビルの心臓に

中華包丁が吹き込む命の息吹

重さも、寒さも、苦しみも

この刃に染まる、空虚の音


心臓の鼓動が遠くから響き

それに呼応するは、手のひらの感覚

工事現場の中華包丁、

今も時折、天上で踊る

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