第6話 魔法を覚えることが、魔王様への恩返し

魔物達は悩んでいた。


魔王が勇者に負け、領土が大きく後退してしまった。よって、魔物たちの仕事が大きく減ってしまった。


まだ底辺のスライムは、廃棄物の分解を一手に担っている。


上級のドラゴンらは、多くの蓄えで困る事はない。


能力の高い魔法使いらは、仕事に困る事は少ない。


残った魔物たちは、少ない仕事を他の魔物と争うが、力が弱く、能力の乏しい者は真っ先に、弾かれる。ゴブリンは大いに困った

だが、困ったと言うだけでは、何も変わらない。


ある一匹のゴブリンが決意した。

「オラ!魔法を覚える。魔法を覚えて仕事に付くんだ!」


それからの苦労は、並大抵の事ではなかった。まず、最初に魔法使いから習うが、すぐには教えて貰えない。

頼んだ!頼み尽くして、やっと教えて貰ったが、呪文が覚えられない。


何回も何回も練習を続けた。何日も。何ヵ月も。何年も。掛かってやっと覚えた魔法。


「虚仮の一念岩をも徹す。」


ゴブリンは、とうとう城に就職できた。

使える魔法は ファイア 付いた仕事はライターの代わり。しかし、彼は新しい魔王の役に立つ事で満足しております。

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