ホントの君を知ってるのは

がおがお

プロローグ 学年1のイケメン


ぷっくりとした涙袋、鼻が高くてきれいな横顔、くっきりとした二重線、すこし茶色っぽい瞳、センター分けが似合うそんな彼の名前は岩田薫(いわたかおる)。

誰が見てもこれはイケメンだ、と言えるほどの容姿を持つ彼の教室には、今日も多くの女の子が彼を一目見ようと会いに来る。


「かおるん、今日もモテモテだね。」


薫の横で廊下に視線を向けるのは、彼の親友の水上あおいだ。


「え~??そんなことないよー」


薫はのんびり返す。

彼は本当に自覚していなかった。

みんながかっこいいと囃し立てても、彼は呑気にそんなことないのになぁと聞き流していた。

水上はそんな彼のことが少し心配だった。薫はあまりにも天然で抜けていたので、よく失敗していたり怒られたりしていたのだ。

それと同時に多くの女の子からこの性格がかわいいと評判だった。


「そーいうところもモテちゃう理由なんだよ?」


あおいは彼を見てそう言った。


すると薫はにこっと笑ってあおいに言った。


「ほんとにかっこよくないからー。あおいの方がかっこいいし優しいでしょー」



本当にこいつは無自覚キラーだな、とあおいは困った表情を浮かべた。

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