第4話 ヒロインside

今回はヒロインsideのお話です。

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狐の妖怪の位階の最低位である野狐(ヤコ)。

野狐単体に高い戦闘力はなく、大人はもちろん子供でさえ12歳くらいになった人間を食べることができない。

だから人を化かしたりたぶらかして人が感じた負の感情である恐怖や憎しみを糧にして生きている。

 戦闘力はないが野狐は賢く、魔物にしては珍しく群れ、協力する魔物であり、複数の野狐が人間を化かし負の感情を共有して生きていることが多い。


そんなある野狐の村の中にまだ少し若い一頭のメスの野狐がいた。


その日は、登山道から山に迷い込んだ1人の少年を標的に野狐たちは化かし、あわよくばまだ10にも届かない年齢に見えたので食べてやろうとしていた。


群れのリーダーである老練の野狐が若いメスの野狐に指示を出す。


「お前にとっては初めての狩りだ、お前の実力がみたい、まずお前から仕掛けてあのガキを恐怖させさらなる森の奥へと逃げ込ませろそこから我々がじわじわと恐怖を煽り逃げ疲れたところを一斉に噛みついて仕留める。」


「はい、わかりました...」

と若い野狐は少し自信なさげに標的に向かっていった。




 

 

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