第2話


まず、久月家に生まれた人間が持つ特殊な体質について説明しなければならない。


それは、個人差はあるが肉体が魔物にとって、上等な餌であるということである。

勿論、匂いや味で魔物をおびき寄せるだけではない。

その血は魔の物の傷をいやし、肉を一定量食べれば魔の物の強さ「位階」があがる。

なぜそのような体質になるのかはよくわかっておらず、記録には初代当主が、「なにか」と契約した結果であるらしい。


特に自分、久月 朔耶はその体質が色濃く出ていると聞かされていた。

そしてその体質を利用した、再教育が行われた。


獰猛な魔物たちのいる地下室へと天井からつるされた状態で閉じ込められたのだ。

父の目的は、魔物への恐怖心の植え付けと、彼らへ同情心をすてさせることであった。


 部屋に放り込まれた最初は、特にその状況を問題視していなかった。


 なぜなら、僕は魔物をどうゆうものかよく知らなかったから。いや、家の教育でいやというほど魔物の凶暴性など教えられていたが、僕は実際に会って魔物でも話しをすれば分かり合える、友達になれると考えていた。


しかしそんな理想は僕の妄想、僕の共存という淡い希望は崩れ去った。


その日、魔の本質を知った—











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る