第14話 真実の片鱗

墓梨健と甘野芽々は、再び廃墟の街を歩き始めた。瓦礫に覆われた道路、崩れ落ちたビルの影が二人を不気味に覆い、周囲にはかつての日本の面影がわずかに残っている。だが、それはもはや誰もが知っている「日本」とはかけ離れた光景だった。


芽々は口を閉ざしたまま、無言で歩き続けていた。彼女の目は鋭く、何かを探し求めているようだった。健はそんな彼女の横顔を見つめながら、崩壊した世界の真実を探る決意を新たにした。


「芽々…」健が静かに声をかけた。「この世界がどうしてこうなったのか、君は何か知っているのか?」


芽々は一瞬立ち止まり、遠くを見つめたまま答えた。「…分からない。ただ、何かが始まる前に、この街にはおかしな噂があった。空が裂け、異形の生物が降ってくる、と。だけど、それはただの噂だと思っていた…。」


その言葉に、健は背筋が凍る思いをした。「空が裂ける…?」


芽々は頷いた。「確かに、あの時、空に不自然な裂け目が現れた。それは一瞬の出来事だったけど、まるで異世界とこの世界が重なり合うような感覚だった。そして、その直後にすべてが崩壊したの。」


健は言葉を失った。崩壊した日本、そして空から現れた異形の生物たち。それがすべて繋がっているとしたら――。


「健、ここからが本当の始まりだと思う。私たちが生き延びるためには、この世界がどうしてこうなったのか、その答えを見つけなければならない。」


二人は再び歩き始めた。だが、彼らが進む先には、ただの廃墟ではなく、さらなる恐怖が待ち受けていた。

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