第5話 噂をすれば
日が傾き、街が薄暗くなり始めると、三人は崩れかけたビルの一室に身を寄せ、夜を過ごすことにした。部屋の中は荒れ果て、床にはガラスの破片が散乱し、家具は破壊されていた。しかし、外の瓦礫の山に比べれば、ここはまだ安全に思えた。
「ここで一晩を凌ごう……夜になると、何が出てくるか分からない」
涼がそう言った瞬間、外から不気味な音が聞こえ始めた。何かが瓦礫の山を這いずり回るような音だ。
「何の音だ……?」
涼が窓から外を覗くと、そこには異形の生物がいた。巨大な体に無数の触手を持ち、その動きは鈍重で不規則だったが、確実に何かを探し求めているように見えた。
「……化け物……」
誰もがその場で息を潜めた。怪物が去るのを待つしかない。外で聞こえる音は次第に遠ざかり、ようやく静けさが戻った時、三人は恐怖で体を震わせていた。
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