「命運」

第4話 二度目

瓦礫を乗り越え、健と芽々は慎重に街を探索していった。歩くたびに、足元で瓦礫が崩れる音が響く。それ以外には、何も聞こえなかった。まるでこの街そのものが、彼らを拒絶しているかのようだった。

「誰か他にも生き残りがいればいいけど……」

健が呟いたその時、彼らの目の前に一人の青年が現れた。彼の名は神崎 涼。彼もまた、この世界に放り出された一人だった。

「君たちもここに？俺は涼、この世界が何なのか調べようとしている」

涼は冷静な表情でそう言い、二人に共に行動することを提案した。彼は理知的で、状況を冷静に分析しているようだった。健と芽々は彼の提案を受け入れ、三人で街を探索し始めた。