第2話 荒廃都市にて

健は瓦礫の山を越え、さらに街の奥へと進んでいった。ビルの残骸が道路を塞ぎ、壊れた信号機が虚しくぶら下がっている。かつて人々が行き交っていたはずの街路は、今や廃墟となり果て、生命の気配はまるで感じられなかった。


「いったい何があったんだ……?」


健は倒壊したビルの一つに近づき、壁に書かれた看板を見つけた。「○○百貨店」という文字がかろうじて読み取れるが、その錆びついた金属の表面は時の経過を物語っていた。彼は周囲を見回し、ここがどこかの都市であることは理解できたが、それ以上の手がかりはなかった。


さらに進んでいくと、健は朽ち果てた車の中から、かつての生活の痕跡をいくつか見つけた。破れた新聞、壊れたラジオ、そして誰かが残したと思われる書きかけの日記。ページは色褪せ、文字はかすれていたが、そこには不安と混乱が記されていた。


「私たちは何が起こったのか分からない。ただ、突然すべてが変わってしまった。街は崩壊し、人々は消え去った。これは終末なのか……?」


日記の内容は途中で途切れており、書き手がどうなったのかは分からなかった。健はそのページをそっと閉じ、改めて周囲の静けさに身震いした。

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