### 第6話:愛の誓い

瑠華と雷鳴の絆は、治療を経て一層深まった。


彼らはお互いに支え合い、共に過ごす時間が何


よりも大切であることを実感していた。そし


て、ある日の夕暮れ、雷鳴は心の中の決意を固


めていた。


「瑠華…」


雷鳴が彼女を呼ぶ。瑠華は振り返り、穏やかな


笑顔を浮かべた。


「何かあったの?」


彼女は優しく彼に尋ねる。


雷鳴は一歩前に進み、彼女の目を真っ直ぐに見


つめた。


「君と一緒になりたい。これから先も、ずっと


一緒にいたいんだ。」


瑠華の心臓が高鳴った。彼の言葉が彼女の心に


響き、喜びと期待が交錯する。


「雷鳴、私も…それが夢だった。あなたがいて


くれるから、私は強くなれる。」


その瞬間、雷鳴はポケットから小さな箱を取り


出した。彼女の目は大きく見開かれ、信じられ


ない思いで彼を見つめる。


「これを受け取ってほしい。」


雷鳴は箱を瑠華に差し出した。その中には、美しい指輪が輝いていた。


「瑠華、俺と結婚してくれ。」


瑠華は思わず涙が頬を伝った。


「本当に…いいの?こんなの…」


「君と共に生きることが俺の願いだ。辛い時


も、楽しい時も、ずっと君と一緒にいたい。結


婚して、家族になろう。」


雷鳴の声は力強く、彼の愛が込められていた。


「はい、私は…喜んで!」


瑠華は心から彼の手を取って答えた。指輪を受


け取り、自分の指にはめると、彼女は更に幸せ


な気持ちでいっぱいになった。


「ありがとう、瑠華!」


彼は彼女を抱きしめ、その温もりから愛を感じ


た。


---


それから二人は、彼らだけの特別な結婚式を準


備することにした。大規模なものではなく、彼


ら二人が心から繋がっていることを祝う、小さ


な式を開くことにした。


静かな森の中、柔らかな陽光が差し込む場所を


選んだ。瑠華は清楚な白無垢を身にまとい、彼


女の顔を飾り付けた。


「瑠華、すごく美しい。」


雷鳴は彼女を見つめ、心が溢れる思いを口にし


た。


「ありがとう、雷鳴。あなたも素敵よ。」


瑠華も彼の姿を見て、心が高鳴った。



二人は小さな祭壇の前に立ち、緊張しながらも


幸福感に包まれていた。そして、彼らの愛を祝


福するように、森の中を優しい風が吹き抜け


た。


「私は、君を愛し、君を支えることを誓う。」


雷鳴は真剣な表情で言った。彼の目には、瑠華


への愛とこれからの未来への期待が宿ってい


た。



瑠華は心の中で何度も自分の気持ちを反芻し、


「私も、雷鳴を心から愛し、共に生きることを


誓います。」


彼女の声は少し震えていたが、確かに彼の目を


見つめていた。


「この愛が永遠であることを願い、私たちの未


来も共に築いていこう。」


二人は互いの手を取りあい、愛の大きさを感じ


ながら、誓いを立てた。



その特別な瞬間、一滴の涙が流れた。瑠華は幸


福感に包まれ、雷鳴の手を握りしめ、心から幸


せを感じた。その時、彼女は全てが正しい選択


であったことを確信したのだ。


「さあ、指輪を交換しよう。」


雷鳴は微笑みながら言った。二人は心を込め


て、互いの指にはめていく。


「これからもずっと、君の傍で君を守る約束


だ。」


雷鳴は彼女の手を優しく撫でた。


「私も、あなたのために心から尽くすわ。」


瑠華は微笑みながら返した。



そして、彼らは自らの愛をかみしめるかのよう


に、暖かな日差しの中で深いキスを交わした。


その瞬間、彼らの心は一つになり、未来への道


が開かれていくのを感じた。



結婚式は二人だけのもので、特別な思い出とな


った。彼らはお互いに約束し合い、これからも


ずっと共に生きていくことを誓った。


「愛してる、瑠華。」


「私も、雷鳴、ずっと愛し続ける!」


瑠華の言葉は、彼の心に温かく響いた。


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