転生したら皇女様のペットでしたがなぜか魔物なのに溺愛されてます。

改宗

第1話



私は目が覚めるとなぜか暖かい場所にいた。



でもそこはいままでに見たことがないものばかりで私はあちらこちらに目がいってしまう。



あれ?でも私まだ中学校の帰りで確か自転車に乗って、あれ?そのあとの記憶がない。



確か日は入学式の日で私より小さい子供を助けてその後向かおうとしたらまでは覚えてるんだけど。



でも、ここどこだろう。



辺りを見てもそこには私が知っているものもあれば全く見たこともないものが置いてあった。



大きなベッドに、少し大きい机に部屋の周りには少し植物が鉢に植えてあって少しい気分が落ち着く。



そうすると急に私は首を掴まれる。



持ち上げられるとそこには燃えるように赤い髪の少女がいた。



「あなた孵化したのね。あ、名前つけてあげないと」

「ウぁ?」



あれ?なんか名前とか言われて声を出そうとしたけど全く出ない。



なんで?いや、でもここは落ち着かないと。



「あ、お腹空いたのね。少し待ってなさい」

「キュルル」

「キュルルって、あなた一応竜なのだからそんな弱弱そうな声出さないの」

「キュ?」

「ふふ。面白いわね。それじゃあとってくるから静かに待ってるのよ」



赤い髪の少女はそう言うと私を置いてどこかに行ってしまう。



あの子今なんて言った?



私が竜だって言ってた気がするんだけど。



私は自分の身体を見ると腕や脚全身に緑色の鱗があった。



椅子の上に上がるとそのまま机の上に置いてあった鏡みたいなもので自分の顔や姿を見る。



あ、これ本当に竜だ。



まだ小さいけど白い2本の角や、2つの翼、人間や普通の生き物と違う瞳。



私、人間じゃなくなってる?!!



ちょっとショックを受けたけどさっきの女の子がお世話をしてくれるなら全然ありかも。



だけどこれはきっとお姉ちゃんが言ってた異世界転生というものではないだろうか。



ということは、はい、確実に死んでます。



「キュー」

「あら?少し凹んでる?」



いえ、違うんです。

私が死んだ事実はいいとして、お姉ちゃんや両親に何も言わずに亡くなってしまったので。



「まあ。ご飯でも食べて元気だしなさい」

「キュー」

「そうね、あなたの名前はルルよ」



ルル。これが私の異世界での名前。

前世での名前はもう忘れちゃったけど今日から私の名前はルルになるんだ。



「え?なにこの紋章は」

「キュア?」

「え?お腹空いたって?」



あれなんでか知らないけど考えてることがバレてるんだけど。

これってあれ、エスパーとか言うやつなんじゃ。

もしかしてこの高貴そうな人ってもしかして占い師みたいな人?



「わかったから早く食べなさい」



私は目の前に出された焼かれた肉に目が行くとそのまま翼を広げ肉に被りつく。

だけど、まだ歯がなくて肉は硬かった。



う、お腹減ったのにまさかまだ歯が生えてないなんてそんなことある。

これだとお肉食べられない!!

お肉食べたい!!



「もしかして食べられないのかしら」

「キュー」

「紅茶のミルクならあるけど飲む?」

「キュー!!」



私は花柄の描かれたポッドに顔を入れると溺れる勢いで中に入ってしまう。



「ちょっとあなたどれだけお腹が減って」

「...凄く可愛いわね。竜も小さいころだとこんなこともあるものなのね」



ちょっと何か言ってるかもしれませんけど息がしにくい!!

あ、でも甘くて凄くおいしい。

それでいてまろやかで喉辺りがよくてグイグイ飲めちゃう。



なんか炭酸ジュースよりも飲みやすいような。

あれ少しシュワッとして苦手なんだよ。



私が勢いよく飲んでいると段々と頭が出てくるとそのまま女の子に抱きしめられる。



「私の名前言ってなかったわね。私の名前はネアンテよ」

「ねーあ?」



私は少し歪な声を上げながらも彼女の名前を言おうとすると彼女は驚いた顔を見せる。



「ごめんなさい。ルルもう行かなくてはいけないわ」

「キュー」

「そんな心配そうな顔をしないで私も寂しいから」

「また戻ってくるから」



そういうとネアンテ様は部屋を後にした。




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