「犯人は〇〇です・・・

リトル

第1話 僕に何が起きたのか? 


「犯人は○○です・・・

「うーん・・・・・・これは夢?」


ピピ ピピ ピピ ピピ。機械音が聞こえる。

僕は目が覚めた。なんだか凄く頭が痛くうなされていたのだと感じた。

周りを見回すと、ここは病院のようだ。なんとも言えない独特な匂いが鼻を刺す。

近くには花瓶に花が飾ってあり、ふとカレンダーに目が行く。

2036年12月14日、時計は4時25分を指している。

カレンダーには沢山の×印が書かれていて多分僕は意識不明だったのだと分かった。

数分後、突然ドアが開き看護師らしい人が現れ、とても驚いた様子で慌ただしかった。

様々な検査を受けている最中、医者が話しかけてきた。


「名前と年齢分かる?」

「名前は小山甲斐で歳は18歳です」

「記憶障害はないようだね。良かった」

「え?記憶障害ですか?」

「そうだよ。君は呼吸困難になって1ヶ月近くも意識不明状態になっていて

今こうして話していることは奇跡的な事なんだよ」

「先生・・・・・・僕・・・・・・」

「どうした?」

「思い出せません!なぜ呼吸困難になってしまったのか・・・・・・」

「それは君の彼女が・・・・・・いや何でも無い。脳の検査もしようか」


検査結果が出た。異常は全くなく、一時的なショックで記憶障害が

起きたのではないか、精神的なものではないかと教えてくれた。

一応検査結果は良かったので退院許可がでた。

ロビーには親がとても嬉しそうな表情で迎えに来てくれていた。

車に乗り込み病院を出た。

車内では親が話しかけてきた。


「検査結果見たけど本当に事故の事、覚えてないの?」

「もしかして僕、事故に遭ったの?」

「いや・・・・・・あの子の事故を目撃して多分ショックで倒れたらしいよ。

本当に覚えてないの?」

「・・・・・・覚えてない」

「そう。・・・・・・ねぇ、殺してないよね?」

「え?僕が!?今さっき事故って言ったよね?」

「そうね。疑ってしまってごめんね。あの子を事故と見せかけて殺してないことを信じるわ・・・・・・」

「あの子って誰なの?」

「あぁ、そうだったね。あの子って言うのは・・・・・・

おっと、お弁当屋さん通り過ぎるところだった。何弁当にする?」

「唐揚げ」

「唐揚げって、良かったいつものね。分かった買ってくるよ」


静まった車内で思った。

あの子って誰なんだろうと、聞いてはいけないのかな・・・・・・。



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