第31話 樹海とグアム二元LIVE中継

 202✕年

 

 4月23日 21:20 (日本時間)


 4月23日 22:20 (グアム時間)


 グアム島アンダーセン基地上空100mに浮かんで見渡す武道君。


「凄いな黒山の人集り、いや金髪もそこそこいるから金山混じりの…にもなるかw」


 約12万人の群衆が基地を取り囲み美幸の解放と米国こめこくの非道を大声で訴えている。


「グアムの人口16万人だから7割以上の人達が来てるのか、LIVE配信って最強なんだな」


『マスター。グアムへようこそ♡』


『おつかれ~今そっち行くから全員に重力掛けて動けなくしといて。てか♡って何だよ、どうせなら★★★くれよカクヨム的にww』


『ラジャー★★★★★これで良いマスター』


『★は最高3個までしか付けられないんだよw』


 緊張感ゼロ念話している人外じんがい2人。



「うー苦しいぃぃ」

「う・ご・け・ないぃぃ」

「た、助けてぇ」


『おい何kgかけてんだ?』

『これで動けないなんて情けないわ、ほんの2桁よ』


『だから何kgなんだよ?』

『99,9kg 』


『…もうそれ3桁だろ、100g足りないだけじゃん』

『腰から下のみしか重力掛けてないわよ』


『そりゃ歩けなくもなるか』

『軍人なのに日頃の鍛練がなってないわ』


 世界中の人々が本物の大蔵美幸と思ってるので、念話で交信中。


『まあいっかww屈強なベシア大尉には両腕にそれぞれ20kgずつ重力追加してくれ。そうだな筋肉の無い手首にしとくか。』

『ラジャー★★★』


『もうそれ★いーからwさすがのベシアも動き止まったな、こっからは普通に会話するぞ。樹海とグアム二元LIVE中継で同接20億(汗)にTV独占乗っ取り放映もある。学習した美幸本人の喋り方で頼むぞ』

『分かったよどー君』


 **********


 21:30

 東陽町(株)大蔵本社ビルA棟27F

 大蔵グループ広報部SNS担当室


「「「「「……」」」」」

「信じられん…」

「これって転移…ですよね…」

「ここから富士の樹海そしてグアム…それに基地上空に浮いてる……」

「若様って呼び方、失礼に当たるのではないかと?」

「ああ、これからは神様って呼ぼう」

「「「「「おおーーー神よ」」」」」



 総理官邸


 総理

「とうとうグアムに乗り込んだか…」


 官房長官

「瞬間転移して空中に浮かぶなんて…ただでさえ樹海LIVEの配信がスタートして国内外から問い合わせ殺到してるのに、もうこれ以上は無理!!とにかく穏便に頼みますよぉ」


 統合幕僚長

「こんな事が可能なら大蔵家単独で世界征服出来ますね…」


 無言で頭を抱える3人、しかし現実は厳しい。


 コンコンコンコン!!激しくドアが叩かれる。


 官房長官

「何ですか?」


 秘書官

「大変です!!米国こめこく大使館、在日 米軍こめぐん各国マスコミ、野党や財界からも面会・会見の要請が相次ぎ、もう限界です。我々だけでは対応出来ません!!」


 総理

「仕方ない臨時閣議を召集してくれ。」


 大慌てで部屋を出る秘書官!!


 統合幕僚長

「では総理、私も市ヶ谷防衛省に戻ります。陸海空幹部と緊急合同会議を行いますので、米軍こめぐんから要請あれば連絡下さい。」


 総理

「分かりました。官房長官、豪州主張の防衛大臣はどうなってますか?」


 官房長官

「羽田到着予定22時です。」


 総理

「今日は徹夜になりそうですね…2人とも大蔵一族の神力パワーの事くれぐれも他言無用でね。とは言え7代目が自ら全世界に公開してますけどねw」


 眠れない夜を迎える総理官邸にタメ息だけが聞こえていた。

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